鎌倉の外れにあり、かつ山あいにあるために鎌倉の中では比較的目立たない存在の寺院が『瑞泉寺』。
その山あいが“紅葉ヶ谷”と呼ばれる谷戸(やと)にいちしている。境内は季節ごとに様々な花で彩られ、梅、ツツジ、ボタン、マンサク、そして紅葉と、一年中花の絶えることがない“花の寺”として知る人ぞ知る存在です。

0001_zuisenji_01_DSC_7627.jpg

総門から参道を進むと、谷戸らしい光景が向かいいれます。

0002_zuisenji_01_DSC_7487.jpg

0003_zuisenji_01_DSC_7606.jpg

0004_zuisenji_01_DSC_7623.jpg

二つに分かれた石段は、男坂、女坂なのであろうか。とにかく風情溢れまくり、、、か!

0005_zuisenji_01_DSC_7489.jpg

0006_zuisenji_01_DSC_7613.jpg

0007_zuisenji_01_DSC_7490.jpg

結構な段数を上ってふと振り返ると、まるで世俗との結界のように感じる。

0008_zuisenji_01_DSC_7615.jpg

たどり着いた先が『山門』。
ここも緑に覆われた風情ある光景が見て取れます。

0009_zuisenji_01_DSC_7494.jpg

0010_zuisenji_01_DSC_7504.jpg

横には『松陰吉田先生留跡碑』と記載された碑が建立されている。

0011_zuisenji_01_DSC_7500.jpg

安政元年、下田で密航を企てる直前に瑞泉寺に住職であった伯父の竹院和尚に来訪したことを記念し、昭和4年に建立されたもので、徳富蘇峰の筆によるもの。
密航は失敗に終わりますが、獄中で松陰は「山の青々とした竹の光が窓から射し込んでくる。方丈は奥深く、錦屏山の懐に抱かれて物静かである。いま私は囚われの身となって獄中にあり、むなしく苦しみを味わっている。ある夜夢に瑞泉寺を訪ねた」と瑞泉寺を訪れた詩を詠ったそうです。

山門を抜けると前庭が広がっています。

0012_zuisenji_01_DSC_7509.jpg

0013_zuisenji_01_DSC_7602.jpg

整然と植えられた数々の木々が美しく輝いているようです。

0014_zuisenji_01_DSC_7525.jpg

0012_zuisenji_01_DSC_7532.jpg

0014_zuisenji_01_DSC_7526.jpg

この中で見逃せないのが、本堂前にある梅の古木で鎌倉市指定天然記念物の『黄梅』
江戸時代にはあった老木で、現在、花弁が退化しているため花の色も淡黄色で驚くほどの美しさはないのですが、地元では、この老木に花が咲くのを春の訪れとする“通”な梅の木として親しまれています。

0015_zuisenji_01_DSC_7536.jpg

また、水戸光圀のお手植えと云われる市指定の天然記念物『冬桜』もあり、やはり花の寺らしく彩り豊かです。

境内の本堂を初めとした堂宇は、すべて焼失したため大正期に再建されながらも、しっとりとした佇まいを見せてくれます。

0016_zuisenji_01_DSC_7522.jpg

0016_zuisenji_01_DSC_7603.jpg

ちょっと趣のある庫裏もまた良い

0017_zuisenji_01_DSC_7506.jpg

正式名称は『錦屏山瑞泉寺』で1327年に開山され、寺を囲む山々の紅葉が錦の屏風のように美しいことから名付けられました。
開山の夢窓国師は、後醍醐天皇や足利尊氏も深く帰依し、鎌倉から南北朝期に臨済宗で重きをなした高僧です。

それ故に瑞泉寺は、鎌倉公方(鎌倉府の長)の菩提寺として、鎌倉五山に次ぐ関東十刹に列せられた格式のある寺院となったのです。

瑞泉寺の鐘楼には、錦屏晩鐘がつられている。
除夜の鐘つきができるようなので、機会があれば。。。

0018_zuisenji_01_DSC_7514.jpg

鐘楼の前に聖獣である白い象2体。

0019_zuisenji_01_DSC_7519.jpg

0020_zuisenji_01_DSC_7520.jpg

その付近には『大宅壮一評論碑』『久保田万太郎句碑 』がある。確かに多くの文化人が、ここを訪れているそうです。
ざっと挙げただけでも、川端康成、大佛次郎、高浜虚子、吉野秀雄等、枚挙にいとまがないほどです。

0021_zuisenji_01_DSC_7518.jpg

0022_zuisenji_01_DSC_7510.jpg

一角には地蔵堂があり、そこに安置されている木造地蔵菩薩立像は『どこも苦地蔵』と呼ばれています。

0023_zuisenji_01_DSC_7542.jpg

0024_zuisenji_01_DSC_7589.jpg

これは、地蔵堂の堂主が貧しさのあまり逃げだそうとすると、夢枕に地蔵が現れて「どこも、どこも」と告げたそうである。
現代なら、さしずめ携帯って思うかもしれないが、堂主は「苦しいのはどこにいっても同じだ」と悟ったという。携帯でなくても現代に通用する良い伝承です。

地蔵堂の横にあるのが、瑞泉寺の一番の見所『名勝 瑞泉寺庭園』です。

0025_zuisenji_01_DSC_7545.jpg

0026_zuisenji_01_DSC_7549.jpg

0027_zuisenji_01_DSC_7551.jpg

開山の夢窓国師は、優れた作庭家としても著名で、京都の天龍寺、苔寺で知られた西芳寺を手掛けたといえば、おおよそ理解できるでしょう。

この瑞泉寺庭園の特徴は、鎌倉石の岩盤に地形に応じた彫刻をほどこしたことにあり、北の一隅の岩盤の正面に大きな洞(天女洞)を彫って水月観の道場とし、東側には坐禅のための窟(坐禅窟・葆光窟)を造っています。

0028_zuisenji_01_DSC_7555.jpg

0029_zuisenji_01_DSC_7579.jpg

0030_zuisenji_01_DSC_7574.jpg

天女洞の前には池を掘って貯清池と名づけ、池の中央は掘り残して島しています。
垂直の岩壁は滝で、その上方をさらに辿れば貯水槽があって天水を蓄えてあり、必要に応じて水を落とせば坐雨観泉となるしつらえとなっている風情ある庭園です。
池の西側には二つの橋がかかり、これを渡ると池の背後の山を辿る園路にとなり、二つの橋も数えて十八曲りに園路を登ると錦屏山の山頂に出るような秘密基地的な要素もあるのです。

0031_zuisenji_01_DSC_7565.jpg

0032_zuisenji_01_DSC_7586.jpg

岩盤を彫刻的手法によって庭園となした、「岩庭」とも呼ぶべきこの庭園は、書院庭園のさきがけをなすもので、鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園なのです。

ちょっと疲れたら前庭にある藤棚で休憩するのも、夏の時期は清々しいものです。

0033_zuisenji_01_DSC_7594.jpg

0034_zuisenji_01_DSC_7597.jpg

まだ細かい見所はあるのですが、今回はここまでです。
個人的に非常に気に入った場所なので、瑞泉寺については季節ごとに訪れてみたくなりました。
今回は夏だったので次回は、紅葉の時期に訪れてみたいです。

0036_zuisenji_01_DSC_7573.jpg

2015.10.29記
関連記事
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメントの編集・削除時に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)


    トラックバック

    Trackback URL
    Trackbacks