上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「光の天才画家とデルフトの巨匠」を招いた男

フェルメール展

チケット フェルメール展にいくには多少なりとも知識を入れておくべきかとオフィシャルサイトを見てから、いざフェルメール展へと11月21日金曜日の朝一番に出かけました。一応チケットは先に購入しておこうと、上野駅の改札口のビューローで購入しました。
フェルメール展オフィシャルサイト報道用資料抜粋はこちら
目指すは東京都美術館、上野駅から上野公園内を歩くといくつかのフェルメール展の案内看板が期待感を膨らませます。まだ、開場の9:00前ですが同じ方向に向かう人が結構居ます。
上野公園内の展示会案内看板 【上野公園内の展示会案内看板】
そして東京都美術館につくとすでに行列が出来ていました。
平日の朝早くという時間が時間だけに年輩の方が多いようでしたが(自分もその一人?)、私と同じミーハーが多いのか、それとも日本の文化水準が上がっているのか、いずれにしても人気は本物のようです。
入館待ちの行列 【平日の朝にも関わらず既に入館待ちの行列が・・・】
待つこと約10分、開館し順に行列が進むと、すんなりそのまま会場へすぐ入れました。以外とすんなり入館したので若干拍子抜けしながらも、逆にテンションが上がってくるのを感じます。
東門入り口 東門入り口 【左:東門入り口/右:意外とすんなりと入館…って、当たり前でしょう】

最初の展示は、”デルフトの建築画”というテーマで、様々な建物やその内部を描いた作品が展示されています。

1. デルフトの建築画:展示作品

作品番号1.《アウデ・デルフト運河と旧教会の眺望》 ヤン・ファン・デル・ヘイデン
作品番号2.《アウデ・デルフト運河から見た旧教会の眺望》 ヤン・ファン・デル・ヘイデン
作品番号3.《デルフト新教会の回廊》 ヘラルト・ハウクヘースト
作品番号4.《ウィレム沈黙公の廟墓があるデルフト新教会》 ヘラルト・ハウクヘースト
作品番号5.《デルフト新教会の内部》 エマニュエル・デ・ウィッテ
作品番号6.《オルガン・ロフトの下から見たデルフト新教会の内部》 ヘンドリック・コルネリスゾーン・ファン・フリート
作品番号7.《オルガン・ロフトの下から見たデルフト旧教会の内部》 ヘンドリック・コルネリスゾーン・ファン・フリート
作品番号8.《馬屋のそばの人々と馬》 パウルス・ポッテル
作品番号9.《壊れた壁のあるオランダの町の眺望》 ダニエル・フォスマール
作品番号10.《デルフトの爆発》 エフベルト・ファン・デル・プール ※作品保護のため、出品不可

展示順の作品一覧です。(なお、作品番号は今回の展示会のオフィシャル作品リスト番号)

アウデ・デルフト運河と旧教会の眺望 デルフト新教会の回廊 【左:《アウデ・デルフト運河と旧教会の眺望》/右:《デルフト新教会の回廊》】
はっきり言って全く知らない画家です。有名な画家もいるのかもしれませんが、知りません、一人たりとも。
ただ、コピーに”光の天才画家とデルフトの巨匠たち”とありますので、展覧会演出のイントロダクションとして、デルフトの建築物を通して幾何学的な表現や光の描写イメージを伝え、さらに多くの画家を登場させることによってこれがデルフトスタイルであることを説明するには好都合の作品展示のような気がしました。
因みに作品番号10.《デルフトの爆発》は出品不可と書かれた作品をコピーした小さいパネルが貼られていました。恐らく発表してから出品不可になったのでしょうね。

次のテーマ(テーマによってゾーンに分かれているようです)は”カレル・ファブリティウス”です。

2. カレル・ファブリティウス:展示作品

作品番号11.《自画像》
作品番号12.《アブラハム・デ・ポッテルの肖像》
作品番号15.《歩哨》
作品番号14.《楽器商のいるデルフトの眺望》
作品番号13.《ヘルメットの男》 ※以前はカレル・ファブリティウスに帰属

カレル・ファブリティウスってデルフトの爆発で若くして亡くなったんですよね、確か。前のゾーンの最後の展示で《デルフトの爆発》を展示し、次にファブリティウスと云う因縁めいた演出をしたかったのでしょうが、残念でしたねえ。
さらに、《ヘルメットの男》がファブリティウスの作品でないことから展示順を変えたのでね。5点並んだ真ん中が偽者じゃ収まりつきませんから。苦肉の策っていうやつですかね。

ここで興味を引いたのが《楽器商のいるデルフトの眺望》です。
楽器商のいるデルフトの眺望 【《楽器商のいるデルフトの眺望》】
説明にはカレル・ファブリティウスが錯視的な遠近技法の達人であることが示されていて、それを証明する作品が唯一この作品なのだそうです。事前のイメージでは、フェルメールの《デルフトの眺望》が無いので、その穴埋め的なものかなと勝手な思い込みをしていたのですが、全く違う視点の作品だったのですね。しかも更に興味深いのは、この作品がトリックを仕込んだ箱の中に設置されていたと言う事です。
全くの素人考えですが、現在のようなステレオ印刷とか3D等が当然無い時代ですから立体的な絵の見える覗き箱のような感じと言ったらよいでしょうか。
かつて映画を発明したエジソンは、現在のような館内で映画フィルムを上映するスタイルではなく、”写真が動く覗き箱”(今で言えば一人しか見られないTV!?)を販売してビジネスチャンスを逃したのですが、それと同じようなエンタテインメントとしてのものだったのでは無いかと考えます。
そう考えると他の作品と比べて異様に小さいのも頷けるところです

次のゾーンは”ビーテル・デ・ホーホ”です。

3. ビーテル・デ・ホーホ:展示作品

作品番号16.《幼児に授乳する女性と子供と犬》
作品番号17.《食料貯蔵庫の女と子供》
作品番号18.《訪問》
作品番号19.《アムステルダム市庁舎、市長室の内部》
作品番号20.《女と子供と召使い》
作品番号21.《窓辺で手紙を読む女》
作品番号22.《女主人への支払い》
作品番号23.《女主人への支払い》
作品番号24.《女主人への支払い》 ※ルドルフ・デ・ヨング作

”ホーホ”という画家は初めて(フェルメール以外は全てそうだが)知りました。
晩年、デ・ホーホはアムステルダムの精神病院で亡くなったと言われていますので、天才と狂気は紙一重の例えとおりなのでしょうか。
作品の批評なんてとても出来ませんので、感じたことを言葉にするくらいです。(一貫して全てにいえる事ですが)

食料貯蔵庫の女と子供 【《食料貯蔵庫の女と子供》】
《食料貯蔵庫の女と子供》の解説には、子供に与えているのは牛乳ではなく”ビール”だそうで、当時オランダでは、それが一般的だったと解説されていましたが、きっと色々なブログに書かれているのだろな、この手の話は。
女主人への支払い 【作品No23.《女主人への支払い》】
そして《女主人への支払い》が3点も。そのうち1点は”ヨング”という画家の作品でデルフトスタイルに近いから・・・とかの理由で展示されていました。
解説には”空間と光の描写が美しい”とあり、確かに作品23の左右の描き方はデルフト技法といわれると納得させられますが、女主人が珍しいのか、支払いが重要なのか、どうしてこのテーマになるのかが良くわかりません。何か含むところがあったのでしょうか、借金を返せない深層心理の・・・なんて訳は無いですよね。

そしていよいよメインテーマの”フェルメール”ゾーンです。
当然、批評とかのレベルは専門家やそれを気取った人たちに任せて、あくまで感じたままを書くことにします。まあ、性格的にへそ曲がりだから・・・。

4. ヨハネス・フェルメール:展示作品

マルタとマリアの家のキリスト 作品番号25. 《マルタとマリアの家のキリスト》 日本初公開

フェルメール作品の中で最大の大きさだそうです。確かに迫力ありますね。
比較的小さな作品の多いフェルメールとしては、初期にこの様な大きなサイズとは勝手な推測で、スポンサーがついていたのでしょう。おそらくどこかの教会からの依頼で。宗教画は2枚しかないということを考えると、特に書きたくは無いけれど金のためなら・・・って言うところでしょうか。まあ、当然あっておかしくない話では無いかと思うのですが。
打算的なことしか考えられない私が・・・情け無い。

ディアナとニンフたち 作品番号26. 《ディアナとニンフたち》

解説によると、

『何かを考えるように顔を下に向ける女性の姿は、薄暗がりのなかにどこか静謐な雰囲気をかもし出しているのが分かる。
色彩の対比と光の効果が美しいこの作品はは、初期のフェルメールがどのようにその画力を磨いていったかをみる手がかりになる作品といえるだろう。』

あ、そうなんですか・・・。ほとんど反応出来ない私が・・・情け無い。

小路 作品番号27. 《小路》 日本初公開

これは興味をそそる作品なんですね。フェルメール展示には反対側にそれぞれの作品の見所やポイントが説明されています。
絵の下の方に見られる人物がポイントで、人物を塗りつぶした部分や、遠近感を表した部分、またフェルメールにしては珍しい子供を描いているなどの見所があるそうです。
さらに、全体のイメージとして写真で(主にインターネット上)見るのとは違い、建物の煉瓦部分の色が実際はもう少し鮮やかできれいだったことです。(あくまで主観)
現実問題として高価な写真集はグラビア印刷されているので、恐らくかなり原画に近い発色がなされていると思うのですが、一般的な印刷物では4cオフセット印刷、更にネット上のjpg画像では圧縮画像ですから当然ある程度の色合いは変化しています、というか、原画通りとはいきません。また、サイズについても迫力感やチープ感がサイズによってはあると思います。
その様な意味で、やはり原画を見ることは、その作品に対する自己イメージを正確な存在意識として認識させてくれることを感じました。好事家には当然のことでしょうが、一般的には意識外であることのほうが多いのではないでしょうか。

ワイングラスを持つ娘 作品番号28. 《ワイングラスを持つ娘》 日本初公開

一般的な批評では”色恋沙汰への戒め”をテーマとしているなどなど言われていますが、女性のイメージは明るくキュートなイメージな女性です。そんなネガティブなイメージには見えないのですが。
それはさておき、この作品も《小路》と同じように女性の着用しているドレスの色の発色が違うという事です。
これは、嘗て感じたFIレーシングカーの”マクラーレン・マルボロ”のマルボロカラーのレッドや、赤ヘル軍団といわれた頃の広島カープの”C”のレッドと同じように、”赤”よりも”オレンジ”に近く更にショッキング系なのです。ショッキング系のカラーは印刷では当然特色ですから通常の印刷物では使用されるケースはほとんど無いため現物でしか味わえない色合いですから、原画の色合いにはちょっと感動させられましたねえ。

作品番号29. 《リュートを調弦する女》

様々な解説で保存状態が悪く、画面の傷みが激しいとは、見聞きしていましたが、こうゆう事になるとは思いませんでした。
極端に言ってしまえば、正に”モノクロ絵画”です。油絵も状態が悪く経年すると色が飛んでいくのですねえ。素人の私としては驚嘆モノです。背景、手前の机やイスなどが”スミ”で、光が”白”のモノクローム。かろうじて着用している洋服が「黄色かなあ?」と思われる程度です。ある意味こういったところも原画を見る楽しさの一つだと思いました。
リュートを調弦する女 リュートを調弦する女 【一般的にネットで公開されている作品(左)と実際に展示されている作品に近いイメージでレタッチしたもの】

作品番号30. 《絵画芸術》  ※作品保護のため、出品不可

この作品は件のTBSで大変チープなストーリーを製作したので、逆に非常に興味を持ってしまったので残念です。
無茶なTV番組まで制作してまで取り上げた作品ですので、特に今回の目玉作品の位置づけだったのでしょうが、本当に急遽と言う事で関係者もガッカリだったことでしょうが、結果は大盛況。まあ、次回のお楽しみといったところですかね。

手紙を書く婦人と召使い 特別出展作品. 《手紙を書く婦人と召使い》 日本初公開

《絵画芸術》が展示される場所に掛かっています。あえて表記も”30”としないで”特別出展作品”と記載されていました。
これはかなり個人的には感動しました。「光の天才画家」とあるくらいなので当たり前なのでしょが、とにかく窓から入る光がこの上なく美しかった。写真で見るよりコントラストもはっきりしていて、技法というよりスピリチュアル的なものを感じ(根本的にスピリチュアル的なものは信じないタイプなのですが)て”ゾクッ”とするほどの作品です。正に「光の天才画家・フェルメール」をはっきりと認識させられた瞬間でした。
TBSも(我ながらシツコイ)くだらないテーマでなく、もっと正攻法で”光”とか”デルフト”とかを主眼において製作すれば、かなりクオリティがあがるのではないかな。最もその分視聴率は落ちるかもしれません。この一方の業界に居る私としてもクオリティか数字かといわれれば判らないことも無いのですがねえ。

ヴァージナルの前に座る若い女 作品番号31. 《ヴァージナルの前に座る若い女》 日本初公開

これはサザビーズで30億とか位の価格でオークションされた作品ですね、確か。
最後まで真作かどうか検討されていて、今でも疑問を持っている人が居るとか居ないとか。その上、芸術的な価値は余り高く無いとか何とかで、何かと物議をかもし出している作品ですよね。
そんな情報を理解して原画を見ると「小っちゃい・・・!!」。こんな小さい絵画に何十億という金が動いて、多くの専門家が”あーでも無い、こーでも無い”と。
ナリは小さくとも、ある意味偉大な作品なんですね。
因みにフェルメール作品にヴァージナルの扱いが多いのですが、《ヴァージナルの前に座る女》《ヴァージナルの前に立つ女》《ヴァージナルの前に座る若い女》と「ややこしやーーー」

かなり堪能させてもらいました。
日本初公開が5点を含んだ7点ですが、私にとっては全て初です。やはり世の中で評価の高いものや評判の良いものというのは、個人差はあるでしょうが、それなりに感動を与えてくれるものなんですね。
たまにはこういった文化や歴史に触れないと人間小さくなるばかりですか。心の肥やし、目の肥やし。
一度くらいは見ておいても損は無いですね。

6. 全フェルメール作品の原寸大パネル展示

プチ感動を引きずりながら次のゾーンでは、フェルメールの全作品の原寸大パネルが展示されていました。
やはり宗教画は教会などに飾り(飾るという言葉が相応しいかどうかは判らないが)、多くの信者に見せる(見せないものもある?)ために、やはり大きめの依頼となるのでしょうね。
因みに件の《絵画芸術》は120×100cm で結構大きい方の部類で、有名な《真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女》は、44.5×39cmですので小さい方の部類ですね。
一概にサイズによる評価って言うのは、ほとんど無いのだと思いますが、心情的には大き目の方が感動や驚嘆など心理的には効果があるような気がしますが。あくまで個人的な戯言です。

かわいそうな事に最後のゾーンはかなり付けたし的な側面もありました。

7. 後期デルフトスタイルの画家たち:展示作品

作品番号33.《子供と本を読む女のいる室内》 ヤコブス・フレル
作品番号32.《中庭の女》 エサイアス・バウルス
作品番号34.《士官と女》 ヘンドリック・ファン・ブルフ
作品番号35.《金を天秤にかける男》 コルネリス・デ・マン
作品番号36.《使者》 ヤン・フェルコリエ
作品番号37.《楽器をもつ優雅な男女》 ヤン・フェルコリエ
作品番号38.《ヴァージナルを弾く女》 エマニュエル・デ・ウィッテ
作品番号39.《カード遊びをする人々》 コルネリス・デ・マン

使者 楽器をもつ優雅な男女 【左:《使者》/右:《楽器をもつ優雅な男女》】
祭の後の寂しさ的なちょっと寒々したゾーンとなっている感じです。

このゾーンの隣がグッズ販売となっているので、そちらに気が移っていく感じもありますが。 しかし、意外と面白いものもあったりして。例えば36の《使者》と37の《楽器をもつ優雅な男女》は、どちらもヤン・フェルコリエの作品ですが、《使者》は徴兵にやってくる使者を現していて”驚愕や心配”をイメージし、反対に《楽器をもつ優雅な男女》の楽器は”恋”をイメージさせるとも事で、”陰と陽””暗と明”そんな対比をさせてくれる作品だそうです。 でも、やはり祭りは終わったようです。
折角だからと”クリアファイル”2枚他、記念に購入し展示室を後にしました。

美術館正門 【美術館正門】
入室するときには東門からこそこそ入るようだったので、帰りは正門から帰りました。
東京都美術館なんてまたいつ来るか判りませんから。

どこかに説明があったのかもしれませんが、よく意味のわからないオブジェが有りました。
オブジェ3点 オブジェ3点 オブジェ3点 【…オブジェ3点】
そもそもオブジェなんてものは、説明されてもわからないものもあるので、何か感じればそれでいいのだと思うようにしています。そして正しいかどうかは関係なく、自分にとって「心地良いのか、悪いのか」それで良いのです私にとっては。
大手町にある逓信博物館前の”あの赤いオブジェ”などは、未だに意味がわからないのですが、それにもまして好きになれませんから。

正門の《小路》と美術館の煉瓦 【正門の《小路》と美術館の煉瓦】
また、正門にもフェルメール展の案内看板がありましたが、看板に描かれているのが《小路》。《小路》の煉瓦造りの建造物と東京都美術館の煉瓦造りをかけていたのでしょうか。
ありがちな演出ながら・・・「あると思います」。

初めてのフェルメール展(否、初めての絵画展?)、正直感動しましたね。
渋谷の雑踏の中で、突然サザンオールスターズの桑田圭祐氏に出会ったら、「おっ、サザンの桑田だよーー」とちょっと感動して、しばらくの間自慢げに桑田氏に突然会った話をするでしょう。
私にとって、今回のフェルメール展はそんな出会いであったような気がします。

関連記事
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメントの編集・削除時に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)


    トラックバック

    Trackback URL
    Trackbacks


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。