モダンローズエリア #1

バラからは横道にそれてしまったのですが、折角バラ園に来たのであれば記念館を見ない手は無いでしょう。
十分、有意義な時間を過ごせることは間違いないようです。
ここからは再びバラ園に戻り「モダンローズ」の散策となります。

ガーデンステージ

まずは「モダンローズ」全体を見渡せる「ガーデンステージ」に向かいます。
ガーデンテラス ガーデンテラス 「ガーデンステージ」は文字通りバラ園全体を見渡せるテラスになっていて、このバラ園もシンメトリーであることを見て取ることができます。

そして、写真では判りにくいのですがステージの演出として“シャボン玉発生器”が設置されていて、ファンタジーの世界を醸し出しています。
子供達は大喜びのようです。

そしてそのステージの後には、他のバラとは一線を描くバラが植栽されています。
ラ・フランス ラ・フランス 「ラ・フランス」で、キャプションにこう記載されています。

「モダンローズ」第1号のばら
ラ・フランス誕生以前のバラを「オールドローズ」(Old Roses)、誕生以降のバラを「モダンローズ」(Modern Roses)と称している。
(現地キャプションより)

先月の神代植物公園でも記述しましたが、1867年フランスのリヨンの育種家のジャン=バティスト・ギヨ-・フィスにより発表された四季咲き品種のハイブリット・ティーローズの第1号です。
それまでの代表的なバラは春に開花し繰り返し咲いても秋にポツポツと咲くのが普通で、基本的には春のみの一期咲でした。
そこで考えられたのが返り咲き(秋にポツポツ咲く二季咲き)性を持った大輪のバラに、四季咲き性を持った中国原産系のバラが交配され、更に強い四季咲き性のバラを作り上げたのです。
このバラがどれだけすごいバラであったかは、このバラが作出された9年後の1876年に行われた、リヨン園芸協会によるフランス生まれのバラの中で“フランス”という国名を命名するのに相応しいバラを選ぶというコンテストの中で、見事1000種以上の中から選ばれたのがこのギヨーのバラだったのです。と考えると元々は違う名前がついていたのでしょう。
そしてこのバラのさらに偉大なことは、この入賞の13年後にフランスで「ラ・フランス」が新しい“ハイブリットティー”系として確立され、さらにその13年後にはイギリスでも認めさせたことです。
これによって「ラ・フランス」は、新たなバラの歴史を創りだした偉大なバラといえるのです。

ちなみに、こうして改めてバラの歴史を知ると、先程のオールドローズエリアで見てきたいくつかの“オールドローズ”の内、純粋に「ラ・フランス」の1867年以前のバラというのは、1824年の「ドゥシェス ドゥ モンテベロ」しか無く、それ以外はすべて「モダンローズ」になってしまうということなのですが…。
ラ・フランス いずれにせよ世紀のバラである「ラ・フランス」がオールドローズエリアとモダンローズの間に植栽されているのも、全く象徴的な演出なのでしょう。

円形庭園 円形庭園 「ラ・フランス」の反対側のガーデンステージの前には円形に配置されたバラの植栽があります。

これは前橋市制施行110周年を記念して平成14年に開催された「第11回ばら制定都市会議ばらサミット」の開催記念植樹として、加盟20自治体のバラが植えられているエリアです。
「ばら制定都市会議」とはバラをテーマとして町づくりを進めている自治体で組織されている団体で、毎年サミットと題して毎年各自治体持ち回りで、シンポジウムや視察が行われているのです。そしてこのバラの植栽は平成14年に前橋で行われたサミットを記念した植樹されたものだそうです。

現在は北海道岩見沢市、山形県村山市、群馬県前橋市・玉村町、神奈川県横浜市・綾瀬市・箱根町、長野県坂城町・中野市、静岡県富士市・島田市、岐阜県可児市・神戸町、愛知県西尾市、大阪府豊中市・寝屋川市・松原市・岸和田市・茨木市、広島県福山市、福岡県粕屋町、鹿児島県鹿屋市の22自治体が加盟しており、平成23年5月には第20回として広島県福山市で開催されたそうです。
意外な事にバラの町として宣言している埼玉県のさいたま市中央区(旧与野市)や伊奈町が加入していないようです。
色々な思惑があるのでしょうかね。

さて次は、ガーデンステージ周辺からこのバラ園のメインエリアである「モダンローズ」のエリアを散策します。
前述したバラ園の庭園図では「モダンローズ」のエリアは大きく4ゾーンに別れています。
1.日本・ドイツのバラ、2.アメリカのバラ、3.イギリス・ニュージーランドのバラ、4.フランス・その他欧米の各ゾーンです

モダンローズ:日本・ドイツゾーン

日本・ドイツゾーン 先ずはガーデンステージから見てすぐ右側の日本・ドイツゾーンを散策します。

マダム ヴィオレ いきなり目に飛び込んできたのが「マダム ヴィオレ」で1981年作出の日本のバラです。

非常に美しい形状の文字通りの紫色のバラで、美空ひばりがこよなく愛したバラとして、現在でも高い人気を誇っているのだそうです。
やはり個人的にはブルー系のバラは魅力的ですね。

ノスタルジー ノスタルジー 次は印象的なカラーの「ノスタルジー」です。

1995年ドイツ作出のバラで白からチェリーレッドのグラデーションが印象的ですが、このように植栽するとよりこのバラの色合いがより引き立てられます。

近くにあるのが日本のバラ「うらら」です。
うらら 華麗なピンク色が鮮やかですが、このようにまとまった眺めが庭園の華やかさを醸し出してくれそうです。

この「うらら」は1995年JRC金賞を受賞したバラです。

JRC金賞とは財団法人日本ばら会のJapan Rose Concour部門が毎年選定している賞です。
“日本ばら会”とは、昭和23年(1948)年に創設された日本を代表するバラの愛好家の組織で、名誉総裁が仁親王妃信子殿下で、会長が中曽根康弘という権威のある団体のようです。
権威付けに弱い日本人としては、ある意味JRC金賞は日本では最高の賞賛といっても良く、非常に名誉な賞といっても過言ではないかもしれません。

そして先ほどのマダム・ヴィオレ同様、個人的に魅かれるブルー系のバラで、2006年作出という比較的新しい日本のバラが「涼」です。
涼 まさに「涼」といったイメージのカラーですが、中心の黄色がアクセントとなっていて華やかさと和テイストの融合のようなバラです。

作者の河合伸志氏は「ぎふ国際ローズコンテスト」で受賞常連の新進気鋭の育種家なのだそうです。

このモダンローズの4つのゾーンの中には、それぞれの国の元首や皇族などの名の付いたバラが区分けされて植栽されています。
皇室コーナー 日本・ドイツゾーンにはやはり日本の皇室のバラが植えられています。

日本の皇室の中で最も世界的に知られているのは当然美智子皇后ですが、その皇后を冠したバラは2種類あるようです。
プリンセス ミチコ 1つはこちらの「プリンセス ミチコ」です。

1966年イギリスのディクソン社から当時皇太子妃だった現・美智子皇后に献呈された品種で、当時エリザベス2世女王から贈られたとも伝えられているものです。
花の色は濃いオレンジ色から赤色で、当時の美智子妃の若々しい美しさと気品を表しているかのようです。

エンプレス ミチコ もう1つが「エンプレス ミチコ」です。

文字通り皇后となられてから贈られた品種で、同じディクソン社から1992年に作出されたバラです。穏やかで上品な佇まいを感じるバラです。
同名のエンプレスミチコを冠した植物にはバラ以外にもハイビスカスもあり、現在日本の皇室の名を冠したバラにはプリンセスチチブ、プリンセスタカマツ、プリンセスノブコ、プリンセスサヤコ、プリンセスアイコがあるそうです。

サマーレディ 引き続き日本・ドイツゾーンを眺めて目に焼きついたのが「サマーレディ」です。

これはドイツの1992年作出のバラですが、兎に角この色合いが最高でしょう。繊細にして華麗、“夏のお嬢さん”といった…、違うか!? 
これも1993年JRC銀賞受賞のバラだそうです。

カフェ そしてこのゾーンでの最後のバラが「カフェ」です。

同じドイツの1956年作出のバラですから私と同年齢の品種です。美しさをどう感じるかは個人の感覚ですが、あえて文字通りの「カフェ」のイメージを作り出したところに拍手です。
そういえば以前伊奈町の【2010ばらまつり】に出かけたときにオランダで作出された「カフェラテ」と言うバラがありましたが、両方並んでいたら面白いかもしれません。

以上が日本・ドイツゾーンで、他にもまだまだ美しいバラは沢山あるのですが次のアメリカゾーンに移ります。

丁度、日本・ドイツゾーンとアメリカゾーンの間の一画に有名人の名を冠したバラが植栽されています。

バーバラ ストレイザンド バーバラ ストレイザンド 最初のバラは「バーバラ ストレイザンド」で、2001年アメリカで作出された品種です。

バーバラ ストレイザンド 個人的に大好きなアメリカのエンターテイナーです。

映画では「ファニーガール」でアカデミー主演女優賞、「スター誕生」でアカデミー歌曲賞を受賞している女優でありながら、1970年代の終わり頃には、アメリカで最も成功した女性歌手といわれ、当時の彼女のアルバムのセールスより売上が多かったのはプレスリーとビートルズだけだったという偉大なる歌手でもあるのです。
また、そのほかエミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞、トニー賞など数多くの賞を受賞しているのですから、まさにスーパースターといっても過言ではありません。
個人的に映画では「ハロー、ドーリー!」、歌唱曲では「On a Clear Day You Can See Forever」「The Way We Were」などが気に入ってました。
とにかく明るく情熱的、そして華麗というエンターテイメント界の女王に相応しいイメージです。

マリリン モンロー となりにあるのが「マリリン モンロー」です。意外なことに2002年作出という結構新しい品種です。

マリリン モンロー もうマリリンモンローについての説明は何も要らないでしょうが、大変綺麗な色合いながらも意外とシックな花です。

個人的にはあの真っ赤な口紅のイメージかと思いましたが、モチーフはブロンドヘア、それとも肌…、いずれにしても、凡人にはうかがい知れない発想があるのでしょう。

オードリー ヘップバーン オードリー ヘップバーン そして最後が「オードリー ヘップバーン」で1996年作出のバラです。

オードリー ヘップバーン これもまた説明要らずでしょう。

開花する前は全体的に白を基調としてしていて、開花するごとにピンクが増えてくるといった、まさにキュートでエレガントなオードリー(春日ではない!)のイメージそのものと言っても良いでしょう。
まさに三者三様のイメージのバラでした。

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