モダンローズエリア #2

バラのトンネル バラのトンネル ここからはアメリカゾーンに移るのですが、右手にバラのアーチがあるので行ってみます。

中々見事なバラのトンネルです。このような趣向もバラ園ならではの演出です。

バラのトンネル バラ植栽 またトンネルの左右にも各種のバラが植えられていています。

この辺りは休憩所ともなっているようで、休みながらも美しいバラに囲まれて優雅な気分ともなる一画です。

アメリカゾーン

ヘンリー フォンダ さてアメリカゾーンに戻っての最初のバラは「ヘンリー フォンダ」です。

ヘンリー・フォンダについても深く説明は要らないでしょう。映画「怒りの葡萄」「荒野の決闘」と言えばハハンと気付かれるでしょう。それでも思い出せなければ、ピーターとジェーンの父親と言えば判るかもしれませんね。
俳優であるヘンリー・フォンダは黄色いバラを愛し多数栽培していたところから、1995年にこのバラが捧げられたのだそうです。
小手先ではなく、まさに黄色に輝くと言ったイメージのバラで、以前黄色のバラは目立たないのですと言っていた私ですが、このバラで考えが変わってしまいました。
ヘンリー フォンダ この1列がすべて「ヘンリー フォンダ」なのですが、もう散ってしまったのでしょうか、極僅かしか残っていないようです。

満開なら大層素晴らしい光景を目の当たりにできたのでしょうが。

ここでちょっと黄色いバラについて調べて見ましたが、黄色いバラ1つとっても大変な歴史があるようです。
現在では極当たり前の黄色いバラですが、19世紀までハイブリット・ティー系には純粋な黄色い花はなく、この当時は黄色のハイブリッド・ティ系の品種を作り出すことが課題の時代だったそうです。そして19世紀の末の1900年にフランスのジョセフ・ペルネ=デュシェが作出した「ソレイユ・ドール」という品種が黄バラ第1号となったのだそうです。
しかしながら、この「ソレイユ・ドール」には四季咲き性が無かったことから、その後改良が加えられ1907年に四季咲き性の「リヨン・ローズ」、さらに1920年に完全な黄色いバラである「スブニール・ド・クロージュ」を完成させたのでした。
そしてこの後、ドイツでこの「スブニール・ド・クロージュ」の子の「ジュリアン・ポタン」から1933年に「ゲハイムラート・ドイスゲルヒ(ゴールデン・ラピチュア)」という品種が作出され、これが現代の黄色のバラの親といわれている品種なのだそうです。
何にしても長年の研究と弛まぬ努力が必要のようですね。

フラグラント アプリコット その次のバラが「フラグラント アプリコット」で1998年作出のバラです。

特に述べることも無く、唯ひたすらアプリコットのカラーで癒されるバラなのです。

ポール ゴーギャン 隣にある深紅のバラが「ポール ゴーギャン」です。

一見、深紅に見えた色合いですが、よくよく見るとホワイトやオレンジカラーも混じっているようで、実にアーティスティックな色合いがゴーギャンらしいと言うのでしょうか・・・。

この辺りから実にアメリカらしいバラが続きます。

ブラスバンド このバラは「ブラスバンド」で1995年作出の比較的新しいバラです。

花の形がベルなのか、花の色が金管風なのか、はたまた花の咲き具合がブラスバンド的な眺めなのか、作者の意図がわかりにくいながらもちょっと珍しい色合いに魅かれるバラです。

ブライダルピンク こちらは「ブライダルピンク」で1967年作出という意外に古いバラです。

「ブラスバンド」といい「ブライダルピンク」といい実にネーミングがストレートで平易なところがアメリカらしいです。

イギリス生まれのボールゲームは、「サッカー」「ラグビー」「テニス」などなどで、アメリカ生まれのボールゲームは「バスケットボール」「バレーボール」「アメリカンフットボール」といった具合に、殆ど”ボール”と言う単語が付き、実にボールゲームであることがわかりやすいネーミングなのです・・・。

閑話休題
ピンク色にあたかもラメでも塗ったようなピンクと白のコントラスト、発色が絶妙な風合いを醸しだしています。ブライダルに使用するという意味ではなく、ブライダルのイメージを表現しているといった方が相応しいのかもしれません。

さて、このアメリカゾーンにも、先の日本の皇室のバラと同じように大統領のバラがあります。

ジョン・エフ・ケネディ こちらが「ジョン・エフ・ケネディ」です。

1965年作出とあるので1963年無くなってから直ぐ作られたバラといえるでしょう。
中心が仄かにクリーム色の白色のバラは、若き大統領の溌剌としたイメージを想起したのでしょうか。
ジョン・エフ・ケネディ しかしながら、周囲に浮かんでいる赤い斑点は何となく暗殺を示唆するような血痕に見えないこともないのですが・・・。

意図的だとすれば大変な創作力でしょうが、いずれにしても実に興味深いバラといえるでしょう。
他にリンカーンとレーガンのバラがあるのですが、何故か花びらが1つもありませんでした。

アメリカゾーンを続けます。
パラダイス この鮮やかなバラは、やはりアメリカらしい「パラダイス」で1978年の作出です。

紫色のグラデーションというのも実に珍しいのではないでしょうか。パラダイスというネーミングらしい華やかでありながら、何処となく耽美な雰囲気を感じさせてくれます。
ちなみにこの「パラダイス」は、アメリカの1938年設立の非営利団体である「All-America Rose Selections(AARS)」から与えられるAARS賞を1979年に受賞しています。

クイーン エリザベス クイーン エリザベス そして次なるバラが名高い「クイーン エリザベス」で歴とした!、1954年アメリカ作出のバラです。

誇らしげにアメリカ作出というのも何か不自然なものを感じますが、「プリンセス ミチコ」だってイギリス作出ですから偉そうなことはいえませんね。
色合い、気品、優雅さなどなど多くの方から人気を得ている品種ですが、それもそのはずで、このバラは殿堂入りしたバラだそうなのです。

殿堂入りしたばらです。
1968年から3年おきに「世界ばら連合会」が開かれています。
1976年から「世界ばら連合会」が開かれる年に参加国により10品種ずつ持ち寄られ、その中から1品を選び「殿堂入りしたばら」として名誉が与えられています。
(現地キャプションより)

一ヶ所訂正をしておかないといけないようで、「世界ばら連合会」はThe World Federation of Rose Societies( 略称 WFRS)は、前述の日本ばら会の訳では「世界ばら会連合」と訳されているのでこちらを使用します。
世界ばら会連合とは、イギリスのロンドンに本拠地を置くイギリス、アメリカ、日本など世界40ヶ国のバラ会が加盟している組織で、この世界ばら会連合が開く世界大会が「世界ばら会議」で、これが3年に一度開催されているのです。
第1回目はニュージーランドのハミルトンで1971年に開催され、一番直近は2009年カナダのバンクーバーで第15回として開催されたのですが、その前の2006年、第14回は大阪で開催されたそうです。
このような世界的な組織から殿堂入りを示唆されたのですから、名誉この上ないことでしょう。まして星の数ほどのバラの中から現在までたったの13品種(1、2回目は殿堂入りは無し)しかないのですから、拝んでも見ておかなければならない・・・、程ではないですが、それでも見ておいて損は無いでしょう。
ちなみに先月訪れた【神代植物公園】は、2009年の第15回世界バラ会議バンクーバー大会で「世界バラ会連合優秀庭園賞」を受賞したバラ園でした。

この「クイーン エリザベス」は上記の通り、1979年の南アフリカのブレトリアで開催された第4回世界ばら会議で殿堂入りしたバラです。ある意味世界が認めたバラといっても過言ではないわけで、事実、その通りAARS全米ばら大賞、イギリスばら協会金賞、アメリカばら協会ナショナル金賞、ハーグ・ゴールデンローズ賞受賞などそうそうたる受賞歴を誇っているのです。

更にアメリカらしいバラは続きます。

ステンレス スチール 実にユニークな「ステンレス スチール」です。

何故、このネーミングのバラを作ろうとしたのか、その動機に興味が惹かれます。あるいは作ってみたら・・・、といったことかもしれませんが。
ベースは薄いパープル系なのでしょうが、思わず笑ってしまいたくなるほど、確かにステンレスです。

ばらの精 ちょうどこの「ステンレススチール」のある裏手に彫刻が設置されていますが、神代植物公園のようなモニュメント的な彫刻ではなく、「ばらの精」と題された可愛らしい銅像といった風情です。

ディスタント ドラムス 次なるバラは「ディスタント ドラムス」で1985年作出のバラです。

淡いアプリコット系とピンクのグラデーションが綺麗なバラですが、季節や気温の変化によって花の色も違ってくる品種だそうです。
その時々を楽しめるバラということで、近年大変人気になっているようです。

スターリング シルバー 「スターリング シルバー」もまた捻られたネーミングです。

1957年ですから結構歴史を持ったバラです。
金属で言うところのスターリングシルバーとは、Silver925のことをいうそうです。
このSilver925とは銀92.5%(925パーミル)、銅7.5%(75パーミル)の合金で造られたもので、1300年代から1920年までイギリスでこのSilver925である“925スターリング材”で鋳造された銀貨として使用されたことから、これを正式な“シルバー(銀)”の基準としたようです。
このことからこの“スターリング”という単語には「本物」とか「信頼できる」という意味が含まれているのだそうです。

その様な古き良き時代を冠したノスタルジック的なバラかといえば大間違いで、実は非常に意義のあるバラだったのです。
先の黄バラのように存在しない色のバラに青いバラがあります。
これは黄バラと違い色素自体が無いことから“不可能”の代名詞のように扱われていた育種家の果たせない夢のバラです。 当然、不可能といわれてもそれを夢みる人は必ずいる訳で、その1つの結果がこの「スターリングシルバー」だったのです。
現在ではそれ程感じませんが、この薄い紫色は作出当時「バラ界待望の青バラ」として話題となり、切花の買占め騒ぎが起こったほどだそうで、その名前以上にセンセーショナルなバラだったようです。
そして人間の欲望は絶えることは無く、その後もより青いバラに近いものをと研究・交配が続けられるのですが、その源となっているのがこの「スターリングシルバー」で、現在の青バラの代表作である「ブルームーン」の親にあたり、青バラ伝説の出発点という非常に貴重な品種といえるのです。

ダブル デライト いよいよアメリカゾーンも最後のバラで、これは1977年作出の「ダブル デライト」です。

先の「クイーン エリザベス」同様、1985年カナダの第7回トロント大会殿堂入りしたバラです。他にも1977年にはAARS全米ばら大賞も受賞しています。
特徴はなんと言ってもクリーム色の花びらに斑の一種である紅色の覆輪で、文字通り“2つの楽しみ(ダブルデライト)”のバラですが、フルーティな香りも人気が高くトリプルデライトともいわれているようです。

以上がアメリカゾーンでのピックアップ品種でしたが、ちょうどここでモダンローズエリアを半周してきたことなります。
北噴水周辺 北側にはガーデンステージを望むことができます。

ガゼボ また、この両隣にはこちらにもオシャレなガゼボがあるので、しばし小休止としました。

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