昭和記念公園 #2

ここからは帰路となります。
「花の丘」からは再び南下し広場ゾーンの「みんなの原っぱ」に戻りますが、今度は原っぱの東側を通ることとなります。

広場ゾーン -2

丁度、「花の丘」の遊歩道には午前中とは違う「パークトレイン」が走っています。
パークトレイン
原っぱに向う途中の園路は、サイクリングロードと交差していて、サイクリングも実に気持ち良さそうです。木々ももう少しで紅葉を始めそうです。
サイクリングロード
原っぱの東側には西側と同じように“原っぱ東花畑”があり、ここにもコスモスが咲いていますが、このエリアのコスモスは早世で見頃はだいぶ過ぎていて、さらに先日の台風でだいぶ倒れてしまっています。
原っぱ東花畑
お馴染みの記念撮影用のスポットがあります。
コスモスまつり2011
この“原っぱ東花畑”は、本数こそ「花の丘」には適わない約80万本のコスモス畑ですが、品種の数は14品種と種類で勝っているようです。
左から「日の丸」「ベルサイユ」「レッドイリュージョン」です。
日の丸 ベルサイユ レッドイリュージョン
更に左から「ピコティー」「キューティーシー」「ダブルクリッククランベリー」だそうです。
ピコティー キューティーシー ダブルクリッククランベリー
これ以外にもあるのですが、写真に撮りきれませんでした。

この“原っぱ東花畑”には先ほどのような記念撮影スポットがいくつもあります。
コスモスまつり2011 コスモスまつり2011 コスモスまつり2011
小さな子供のいるファミリーには人気ですが、流石にオジサン、オバサンはやれませんね。
原っぱの西側を通ったときには気がつきませんでしたが、この広場の中央にはシンボルであるかのような「大ケヤキ」が立っています。
大ケヤキ 大ケヤキ
樹高約20mで樹齢100年の大ケヤキだそうです。
シンボルとしてここに移植されたのではなく、公園になる前からここにあったそうです。後、どのくらい楽しむ人々を見るのでしょうか。

水のゾーン -2

「みんなの原っぱ」を抜けて再び「水のゾーン」に戻りますが、やはりこちらも中心にあった池の東側を散策することとなります。
原っぱ沿いを歩いているとハーブ園の道標があったので、そちらに向かってみることにします。
最初に渡った「残堀川」を“うのはな橋”でわたります。
残堀川
当然ながら水はありませんが、上流方向に“もみじ橋”を見ることができます。
更に下流を見るとまるで河川とも思えないような光景となっています。
残堀川
余りにも気になる光景なので、先には触れなかったのですが「残堀川」について文字通り少し掘り下げて見ることにします。

残堀川は東京都を流れる多摩川水系の一級河川で、水源は狭山丘陵西付近にある狭山池です。
ここから立川断層に沿って南東に流れ、武蔵村山市の旧日産村山工場の敷地に突き当たってから南方向に流れます。そしてここから下流は河道付替工事による人工の流路となるのだそうです。
そして立川市に入って玉川上水を越え、昭和記念公園に沿いながら一旦昭島市に入り、その後再び記念公園の敷地に入り立川市域となり、立川市柴崎町で多摩川に合流する延長14.5 kmの川なのです。

途中から人工となっているのは、その歴史と現在の渇水の重要なファクターとなっているのです。
もともと残堀川は狭山丘陵の小川を集めて流れていたそうなのですが、江戸時代の承応3(1654)年、江戸の飲料水を賄うための玉川上水が開通した折、狭山池からこの玉川上水を結びつけて、玉川上水の助水として利用されたそうです。
しかし明治になって残堀川の水が汚れたため、明治41(1908)年、玉川上水から切り離され、残堀川を伏越形式で玉川上水の下で交差させられたのでした。
その後、昭和になって生活用水が流れ込み残堀川の水量が増し、しばしば氾濫するようになったことから昭和38(1963)年、玉川上水を伏越とするサイフォン形式で現在の立体交差に変更され、更に昭和57(1982)年には、「残堀川流域整備計画」が策定され、その計画に沿って河川改修工事が施工されたそうです。

これ以降、氾濫などがおこることは無くなったのですが、それよりも事態は降雨時以降直後を除けば水流の殆どみられない「瀬切れ」を頻繁に起こすようになってしまい、場所によっては文字通りの「堀だけが残る川」となってしまったのでした。
この理由は、水源の流出減少や都市化による雨水の浸透の減少などが一因として挙げられていますが、根本的な要因は河川改修工事の際の工事の杜撰さによるものとも言われているようです。
その後、2007年に河川整備計画を発表したようですが、今のところは何の改善もまだ実施されていないのでしょう。
このような歴史が残堀川には隠されていたのです。

そして文字通りの残堀川を渡ると再び「水のゾーン」となります。
散策路には名前もですが、形状も不思議な「ゴンズイ」という木が植えられています。
ゴンズイ
これはどうやら果実になった部分のようですから、この時期にしか見られないものでしょう。
その先に「ハーブ園」があります。
ハーブ園 センサリーガーデン
この「ハーブ園」は一般的なハーブ園とは少しコンセプトが違うようです。

フレグラントガーデン
体や目の不自由な方にとって何よりの楽しみは、戸外でゆっくりと花の香りに包まれて散策できることです。アメリカやドイツ・英国などでは車椅子で楽しめるエリアがたくさんできています。
本年でも、車椅子でハーブの香りや手触りをゆっくりと楽しめるコーナーを考えてみました。ここでは植物に触れ、親しむことにより植物の新鮮な「気」を受けたり、芳香浴をしたりして、心身ともに元気を得ることが出来るコーナーです。
あなたも植物に触れて、その香りを楽しんでみませんか。
(現地案内板説明文より)

いわゆるバリアフリー化されているハーブ園であるということです。
ハーブ園
その中にはこのようなちょっとキッチュなハーブもあります。
ハーブ ハーブ ハーブ
しかし特徴はそれだけでなく、このハーブ園を中心としたこの周辺は更に「センサリーガーデン」となっているのだそうです。
チェアー
センサリーガーデンとは「感覚の庭」という意味で、見る、聞く、嗅ぐ、触る、味わうという「五感で楽しむことができるガーデン」のことを言うそうで、花の香り、太陽の光、水の音、鳥の声などの自然に“気付く”ことをコンセプトのした庭園なのだそうです。
その為の施設として様々な形のチェアー・ベンチが設置されているのです。
チェアー チェアー チェアー
このようなチェアー・ベンチからお気に入りのベンチを見つけて、自然を楽しむことが出来るという庭園なのだそうです。
初めて知った「センサリーガーデン」というのもまた興味深い施設です。

この先は「花木園」という様々な品種の見所となる散策路ですが、特に桜並木が見所のようなので季節的には時期ハズレと言わざるを得ません。
更に水生植物である菖蒲なども植栽されているようですが、これもまた季節はずれとなってしまっています。
水生植物園
それでも池には睡蓮等を見かけることが出来、往く秋を惜しむかのようです。
睡蓮

そして水辺の一画に「眺めのテラス」とう広いエリアがあり、水鳥の池ではまだ多くの人たちがボート遊びを楽しんでいる様子が見て取れます。
眺めのテラス 水鳥の池
また、その中心にはなにやらモニュメントのようなものが造られています。
「よみがえる樹々のいのち」展
これは最初に入園したときに造っていた人たちのもので、第15回野外インスタレーション「よみがえる樹々のいのち」展というものだそうです。これは園内で剪定、伐採された樹木を利用し、再び芸術作品として甦らせオブジェとして楽しんでもらう作品なのです。
丁度、10月11日~11月12日までのイベントなので、この三連休を活用して製作をしているのでしょう。
この「眺めのテラス」から東に進むと「展示施設ゾーン」「みどりの文化ゾーン」と進み立川駅へと至るのですが、今日はこのまま南下して西立川駅へ戻ります。

池の周りには先ほどの「よみがえる樹々のいのち」展の作品が幾つか既に展示されています。
「よみがえる樹々のいのち」展 「よみがえる樹々のいのち」展
すべて揃ったときに是非みたいものですが・・・。
そして園の一番南端のイベントスペースでは「草笛コンサート」と題して、草笛の美しい音色が奏でられています。
草笛コンサート 草笛コンサート
まさに自然と一体となったコンサートとでもいえるでしょう。

西立川駅

こうして1日を楽しんだ昭和記念公園を後にして、西立川駅に戻りますが、来た時には植栽で見えなかった石碑が公園と駅の間の通路脇に置かれていました。
歌碑雨のステイション

西立川駅 原風景の記憶
ヒップしていたころは、スピードというディスコで踊って、家に四時ごろ始発で帰ってくるのね。
それでなにもなかったように学校に出かけてるんだよね。
タフだよね、若いから。
秋とか、冬とかだと、まだ真っ暗じゃない。霧がすごく深いわけ。信号の色で街中が変わっちゃうのよね。
信号が変わるたびに街が赤になったり、青になったり。
アスファルトがぬれていて。
だからグルーミーな景色というのがとっても好きなのよ。
「雨のステイション」というのは、雨といってもザアザア雨じゃなくて、霧雨というか、シトシト雨で、西立川のお話なのね。
-松任谷由実著「ルージュの伝言」角川文庫より-

かつては米軍基地前の「さみしい駅」だった西立川。
今では、国営昭和記念公園の玄関口として、多くの人々が利用する「公園駅」へと、生まれ変わろうとしている。
「雨のステイション」は、松任谷由美さんが当時の西立川駅をモデルに、始発電車を待つ少女(自分自身)の心情を綴った歌であり、この歌碑は、駅舎改築を記念して多くの方々のご協力のもとに、西立川駅の原風景の記憶を残そうとの願いを込めて制作されたものです。
平成14年10月吉日
(現地歌碑説明文より)

リアル青春とでも言いましょうか、学生時代に毎日のように聞いていたサザンと共に双璧をなすユーミンの碑があるとは、まさに個人的には驚愕であると共に感動でもありました。
この「雨のステイション」の収められたアルバムは、ユーミンの3枚目のアルバムである「コバルトアワー」でした。そしてこの「コバルトアワー」は私にとってもユーミンの初めて買ったアルバム(シングルは1枚も購入したことはない)で、まさにニューミュージックの到来を肌で感じた1枚だったのです。
コバルトアワー
そのPOPなアルバムの表紙と共に、ティンパンアレイの演奏にそれまで日本にはなかったようなスタイリッシュでオシャレなイメージは、松任谷正隆のアレンジに寄るところが大なのでしょうが、一瞬のうちにその演奏に惹き付けられた覚えがあります。今考えれば恐らく松任谷正隆の毛並みの良さが、ハイソサエティでハイクオリティなアレンジを生み出したのではないかと思います。
勿論、当時、荒井由実の楽曲もまたそれまでにない、いわゆる“ヒップ”な楽曲で、独特の歌唱と共にとにかく心に残るソング・ライティングでした。
当時、カーステレオ(古っ!!)では、ユーミンかサザンは必ず聞いていましたから、まさに青春そのものと言えるでしょう。
そんな青春の一端が、このようなところにあるとは思いも寄らなかったことで、しばらくその歌碑を眺めながら当時をふと思い出してしまいました。
「卒業写真」のように。
原風景も徐々に失われているのでしょうが、是非シトシト雨のときにでももう一度訪れてみたいものです。
西立川駅と原風景
もしかしたら、今日1日の散策の最大の収穫は、この歌碑だったかもしれません。

2011.10.28記

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