サルビアまつり

コスモスを堪能したあとは、引き続いて花の町・鴻巣市の真骨頂であるフラワーロード方面に向います。
これは鴻巣市フラワーセンターという花き卸売市場があり、その道路沿いでは多くの花き業者が花の栽培をしていることからつけられたようです。
そしてその周辺で「サルビアまつり」が行われているようなので、コスモスのあとはサルビアを見学です。

須田剋太展

「サルビアまつり」の前に、折角コスモスフェスティバルで吹上にいるので、今週だけ吹上公民館で開催されている「須田剋太展」に寄ってみました。 アリーナふきあげからはホンの10分ほどで、吹上駅付近にある吹上公民館に到着です。
須田剋太展 公民館の入口に「須田剋太展」の看板が立っています。

須田剋太展 3階の展示会会場に向いますが、ここからは当然撮影禁止なので、代わりのポスターです。

パンフレットには、今回の展示会の概要が記載されています。

『郷土が生んだ 須田剋太 鴻巣市収蔵作品展
「幼い日の思い出に、造形にちなんだ記憶があります。母に抱かれたまま見た村芝居の夜空の星のツブツブ。同じくその日、女の子が持っていたざくろのツブツブの赤です。
天にも地にもこれが形の見始めで、その後5歳の頃、(榎戸の堰場)の形が怖くてなかなかそこへ行けなかった事。そして初恋の女の子がソバカスだらけの顔で、それを美しいと思ったこともありましたが、19歳のとき、画家で生きて行こうと決心した日に浅間山へ登り、赤肌のマチエール(材質)が新緑の中にくっきり浮かび上がったのを見て驚いてしまい、絵描きになる決心をより堅固なものにするという、そんな思い出もあります
生前、そんなことを語り残した須田画伯でしたが、「ボクはいつも子供のようでありたい、それも原始時代の子供のようでありたい」、というのも口ぐせでした。
その言葉どおり、常に自然の命に触れ、その生成に立会い、自らその自然に同化しながら、その中に潜む根源的な生命力をつかみ出そうとする・・・。そんな姿勢を生涯持ち続けた画家だったと思います。そこに須田芸術をより深く理解するカギもあると思います。
今回出品される66点は、この春鴻巣市へ寄贈された86点と、すでに寄贈されている作品の中から厳選された作品で、油彩、グワッシュ、書、陶芸等など、一貫して力強い画伯の魅力に迫ろうとするものです。』(パンフレットより)

この作品展は地元の有志「須田剋太研究会」が中心となって毎年開催されていて、今回が16回目の作品展だそうです。
「郷土が生んだ・・・」とあるので、鴻巣市出身なのでしょうが、ここで略年譜を見てみます。
氏の年代は大きく分けると4つの時代があるようです。

1番目が吹上時代の誕生で22歳までの時期です。
1906(明治39)年、吹上村(現鴻巣市)で須田代五郎の三男として誕生。日露戦争の戦捷の翌年に生れたことから、恩師が勝三郎と命名されました。しかし、後に画家になろうとしたときこの勝三郎の名前が嫌いで「剋太」と変名したそうです。当初は「カツタ」と読ませるつもりだったようですが、周りの人たちが「コウタ」というので、いつの間にか「コウタ」になったのだそうです。
そして1927(昭和2)年、埼玉県立熊谷中学校(現在の熊谷高等学校)を卒業し、21歳で浦和へ転居します。

この間の吹上時代のことについて、氏の自伝である「造型略歴」にこう記載されています。

『何年経っても依然として私を貫通しているものは幼児のままの嬰孩性であり、この嬰孩性が絵を描こう!という一つの行動に変って、今日の七十八歳の私を形成しています。
だから私の頭の中には、一歳から二十歳頃までの吹上町の或る一丁四方くらいの面積の場所 ― 現在はもうすベて変り果てて、故郷的要素は何もなくなっている ― その吹上町の或る地域空間が古典文化のごとく存在していて、そして何時でもその地図は ― 私の家の隣りに矢島清ちゃんの家、前が大和屋菓子店、更に役場があり、小林平八郎君の家の風景が浮かんできます。幼年の頃ですから、そんなに遠くへは行けず、全くの数丁の間の風景ですが、また竹薮の中に石が在って、その石の色まで覚えているのです。何年か前に吹上へ帰った時に、この竹薮がまだあって、その中の石を探したら在るのです。なつかしいかぎりでした。 』(「造型略歴」より)

氏の活躍はこの後の浦和時代から始まるのですが、吹上時代が氏のバックボーンであることがこの自伝から窺われます。

浦和時代の22歳から37歳では、第22回光風会展に入選、文展(文部省美術展覧会)で「休憩時間」が初入選、第2回新文展(新文部省美術展覧会)で「少女座像」が入選、第3回新文展で「読書する男」が特選、奉祝展で「苦力」が入選、第4回新文展で「若き男」が入選、第5回新文展で「神将」が特選など、数々の受賞をした時期です。

京都・奈良時代は37歳から42歳と比較的短い期間ですが、39歳のとき奈良・新薬師寺で知り合った岡田静と結婚し、第2回日展で「東大寺正面」が入選、第3回日展で「ピンクのターバン」が特選を果たしました。

そして42歳から84歳までの西宮時代がある意味で幅広い活動をされた時期のようです。
●1949(昭和24)年、43歳のとき画家・長谷川三郎との出会いを機に、以後、抽象画に傾倒する。
●1957(昭和32)年、1961(昭和36)年に、第4回サンパウロ・ビエンナーレ展(ブラジル)、第11回プレミオ・リソーネ展(イタリア)、ヒューストン美術展、カーネギー国際現代絵画彫刻展(アメリカ)など、海外に出展。
●1962(昭和37)年、西宮市文化賞を受賞
●1971(昭和46)年、週刊朝日連載、作家・司馬遼太郎の「街道をゆく」の挿絵を担当。兵庫県文化賞を受賞
●1976(昭和51)年、70歳、吹上町文化功労賞を受賞
●1983(昭和58)年、「街道をゆく」の挿絵で第14回講談社出版文化賞を受賞
●1988(昭和63)年、第17回フジサンケイグループ広告大賞を受賞
●1990(平成2)年、神戸市内の病院で死去
このように絵画関連賞以外の受賞するなどということは、幅広い活躍が認められた証といえるでしょう。

絵画や書などは一貫してエネルギッシュな画風で、非常に興味深かったのですが、特に目を惹かれたのが抽象画です。
須田剋太「抽象」 カンディンスキーのような多彩色でもなく、モンドリアンのような画一的でもなく、(二人くらいしか知らない・・・)ホワイトをベースとした、何となく癒されるような感動を得られた抽象画というのは、我ながら驚きでした。
《写真:ネット上より借用》

全く知らなかった須田剋太画伯でしたが、非常に印象に残る作品を堪能することができた作品展でした。
因みに展示会の概要の中のグワッシュは「まことちゃん」(あれは、グワッシか・・・)ではなく、不透明な水彩絵具のことのそうで、画法の一つなのだそうです。
勉強になりましたね。

花のオアシス

須田剋太展を見たあとはフラワーロードに向かいます。
「サルビアまつり」を開催しているところは、「花のオアシス」というところで、鴻巣フラワーセンターの近くのようです。
20分ほどで「花のオアシス」に到着です。
花のオアシス 後ろ一面に見える赤い花がサルビアでしょうか。

この日はポイントラリーが行なわれていて、参加賞に何かもらえるということなので、打算的に参加することにしました。
まずは隣にある鴻巣市市民農園で参加カードを貰わないといけないようなので、事務管理棟に立ち寄ります。
鴻巣市市民農園管理棟 ここは体験学習用の農園や貸し農園などがあり、市民が農業に親しめるようなコミュニティ施設となっています。

鴻巣市市民農園管理棟内の瓢箪加工品 建物の中には農産物の直売などもありますが、興味を引いたのが瓢箪の数々です。
この瓢箪は、この農園内で作られ加工されたものだそうです。最近あんまり瓢箪を見ませんからね。

参加カードをいただき「花のオアシス」に移動します。
途中に実際に生っている瓢箪を見ることができます。
鴻巣市市民農園の瓢箪 すっかり葉は枯れており瓢箪の収穫時期なのでしょうかね。

鴻巣市市民農園 反対側には、貸し農園があり結構多くの方が作業をされていました。ブームですからね、これも。

まずは先ほどあった看板の方へ行ってみます。
サルビア祭り それほど広いエリアではありませんが、サルビアもまさに見頃のようで、ありふれた言い方では真っ赤な絨毯が敷き詰められたような・・・、といったところでしょう。

あまりサルビアを群生で見る機会はそれほど多くないでしょうから、実に貴重な機会です。

『サルビアは夏を代表する草花のひとつで、バラエティーに富んだ様々な種類があり、茎が直立して花をつけます。用途としては、夏から秋にかけての花壇用の植物などとしてよく利用されます。草丈はプランターや鉢植えにする20から40cmくらいの背丈のものから、花壇植などにも利用できる70cmを超すものまであります。花色は緋色のものがもっとも多く、紫や白、二色咲きなどもあります。サルビアの名前はラテン語の「サルベオ(治癒する)」という言葉に由来します。』(鴻巣市オフィシャルサイトより)

基本的に鑑賞用としての花なのですね。
そしてこの鴻巣市のサルビアもまた日本一の一つで、「サルビアの出荷量が日本一」なのだそうです。
平成18年度において年間90万本が日本一の出荷量だったそうです。このとき、第2位が福岡県朝倉市の62万本、第3位が愛知県一宮市の59万本、第4位が熊本県山鹿市の47万本、第5位が宮崎県宮崎市の44万本ということですので、2位以下を大きく離しているということです。

先ほどの看板の手前にポイントラリー最初のチェックがあります。
ポイントラリーチェックポイント「メ」 最初のワードは「メ」です。

サルビア祭り ポイントラリーチェックポイント「キ」 サルビアの中を歩いた先に、2番目のワード「キ」がありました。

そしてその周辺は黄色い花がやはり一面に咲いています。
マリーゴールド マリーゴールド これはマリーゴールドだそうです。

名前は聞いたことがありますが、実際の花を見るのは個人的には初めてです。

『春まきの一年草で、性質が丈夫で育てやすく、夏の花壇の材料としてよく利用されます。アフリカン種(万寿菊)とフレンチ種(孔雀草)の2系統に大別されます。アフリカン種は草丈30cmから90cmを越す大型のものまであり、フレンチ種は草丈が低めで、プランター植や鉢植えにも適します。花の色はオレンジ・イエロー・クリーム色などがあり、八重咲き・一重咲きなどがあります。また、マリーゴールドは土の中に潜むセンチュウという虫を駆虫する目的で植えられることもあります。』(鴻巣市オフィシャルサイトより)

ということで、鴻巣市のサイトに記載されているということは、当然日本一なのです。マリーゴールドもサルビアと同じように「出荷量が日本一」なのです。
やはり同じ平成18年度の出荷量が138万本で、第2位:千葉県千葉市(78万本)、第3位:福岡県朝倉市(59万本)、第4位:福島県中島村(54万本)、第5位:北海道新篠津村(45万本)で、やはり2位を大きく離しているようです。

ちなみに出荷量日本一はもう一つあり、同じ平成18年度に「プリムラの出荷量が日本一」だったそうです。
まさに花の町の面目躍如といったところでしょうか。

秋バラ この横にはバラのアーチがありますが、秋バラはまだ早いのか、それとももう終ってしまったのか、1,2輪だけ咲いていました。

ポイントラリーチェックポイント「シ」 そしてマリーゴールドの奥のほうに最後のワード「シ」がありました。

ポイントラリーチェック「メキシコ」 これでポイントラリーのキーワードは完了で、答えはマリーゴールドの原産地「メキシコ」でした。

「花のオアシス」を後にして、打算的なポイントラリーの引換所「パンジーハウス」に移ります。

パンジーハウス

車で5分もかからない、フラワーロード沿いにその「パンジーハウス」があります。
パンジーハウス

正式名称は鴻巣農産物直売所 パンジーハウスで、1988年に創業し、2002年から法人化し、農産物(野菜・米・果実)全般を扱う直売所です。しかしながら見た感じでは、花や園芸品が多く扱われているようで、徐々に花の町・鴻巣としてのイメージが強くなっているのかもしれません。
まずは、ポイントラリーの景品をゲットです。
よく咲くスミレ スミレの苗で、「よく咲くスミレ」と命名されているようです。
パンジーハウスというくらいなので、スミレが主なのかもしれませんね。

よくよく見れば「よく咲くスミレ」には登録商標がついています。調べてみればこれはサカタのタネの「よく咲くスミレ」シリーズなのだそうで、園芸に興味のある人にはメジャーなようです。
今回いただいたのは」マーマレードという色ですが、そのほかにプルーン、ブルーベリーパイ、ブルーハワイ、クランベリー、レモネード、ミルクセーキ、ピーチ、パイナップル、ソーダ、スイートポテト、カシスなどがあるそうです。思わず食べたくなるようなネーミングですね。

折角なので、ハウス内を見学してみます。家内はあわよくば何か買って帰ろうかと虎視眈々と狙っているようですが・・・。
パンジーハウス内 かなり広い敷地内に様々な草花が置かれています。

その中でも特に目を引いたのがやはりパンジーです。
カラフルなパンジー 先ほどの「よく咲くスミレ」シリーズがズラッと揃えられています。

これだけあると大層賑やかです。

パンジ-ヴィオラ 更に眼を奪われたのがこちらの「ビオラのミッキー&ミニー」です。

ビオラとはスミレ科スミレ属のラテン語名で、園芸上はパンジーの小輪多花性種をビオラと呼んでいるそうです。つまりパンジーの小さい奴ってことですね。
パンジ-ヴィオラ「ミッキー」 パンジ-ヴィオラ「ミニー」 濃紫色&白のビオラがミッキーで、薄紫&白のビオラがミニーだそうです。
そういわれるとそう見えるのが不思議です。

なかなかユニークなパンジー・ビオラです。

一通りパンジーハウスを見てからフラワーロードに出てみると、パンジーハウスの前がすでに花の生産者です。
フラワーロード

ここだけでも綺麗な花を見ることができます。
更にフラワーロード沿いは温室がズラッと並んでいるのが見て取れます。
フラワーロード フラワーロード

さすがに日本一の花の町といっても過言ではないほど、花に囲まれた美しい町でした。

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