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東鷲宮百観音温泉

甘棠院を出たのがPM3:00少し前です。
これからが最後の、そして主たる目的である「東鷲宮百観音温泉」に向かいます。 県道を一旦鷲宮へ戻るのですが、「東鷲宮百観音温泉」はJRの鷲宮駅の駅前ですので、久喜からも車でホンの10分程度です。
鷲宮に戻る際、県道3号線沿いに「健美の湯」という温泉がありました。まあ、どこでも温泉ブームなんでしょうかね。
かなり広い駐車場ですが土曜日の午後3:00ごろでしたが、すでに三分の二くらい駐車されていて、人気の高さが伺われます。
早速車を止めて温泉に向かいます。

百観音堂

昨今のスーパー銭湯のようなモダンな建物ではありませんが、どことなく日本人になじみ易いような建物です。
百観音温泉百観音温泉
そもそも名前が「百観音…」ですからね。

そして百観音温泉建物の左側に更になじみ易い「観音堂」があります。
百観音

百観音温泉の由来
江戸時代、白石家出身の花浦様と申すお方が尾張徳川家の奥の要職にあり、奥方及び百人近い女中衆、また出入りの商人百三十名の方々の寄贈により、秩父34番、西国33番、坂東33番百体のご神体を祭った立派な観音堂がこの地にありました。
慶応4年3月(明治維新)に焼失しその後再建されましたが、近年になって御堂が破損し平成16年再建いたしました。
観音様のおかげで日本一の湧出量を誇る温泉に恵まれ、百観音温泉と命名いたし「霊泉」とそのご利益を皆様方と分かち合いたいと思います。』(百観音温泉パンフレットより)

この説明なんとなく分かったような分からないような気のする由来ですが、要するに白石家が百観音堂を祀ろうと発願して、その白石家出身の花浦氏という人が音頭をとって、さまざまな人を協力させて建立した観音堂がもともとこの地にあったということですね。そして明治維新時に焼失し、平成16年に再建されたというのが由来ようです。
「百観音温泉」のオフィシャルサイトでの観音堂由来を見ると最後に「白石」という名が記載されています。さらに本書の説明でもオーナーが白石昌之氏とあります。とするとやはり観音堂や温泉を語るには、まずは白石家がキーであることが容易に推測されますね。

参考:【東鷲宮百観音温泉】オフィシャルサイト http://www.100kannon.com/index.htm

そこで「白石家」を調べてみました。
「白石家」は葛飾郡西大輪村(現埼玉県北葛飾郡鷲宮町西大輪)の名主を代々務めてきた家柄だそうです。当主は代々”兵左衛門”を名のるしきたりだそうで、250年以上前の1740年に亡くなられたのが6代目だそうですので、かなり由緒ある家柄なのでしょうね。
そして、付近の迦葉院の開基として、地所の寄付や村内の取りまとめ、周辺寺院との揉め事の仲介などなど、すべて白石兵左衛門が世話をしていたといわれている、所謂、大地主、顔役とでも言う家ですね。
ですから、現在でもこの地域では白石不動産所有・管理の土地などが多いのだそうで、歴史ある町にはよくある話ですね。因みに、現在の温泉のオーナーである白石昌之氏は何代目に当たるのでしょうかね。

観音堂に視点を戻すと、そこは山門まである立派な観音堂です。
百観音
何ゆえに八百屋と団子屋ができたのかはわかりませんが、門前町といった風情で良いかもしれませんね。

山門をくぐるとお堂で、こちらもまた小さいですがきれいな観音堂です。
百観音堂
右手には観音堂の石碑が立っています。これは古いものなのでしょうか。
観音堂の石碑
年代等を見なかったので判りませんが。

こうして代々白石家により守られてきた観音堂のご利益の一つが温泉だったようです。

ある時、「この近くには霊験新たかなありがたい温泉が眠っています。それを掘り出して多くの民にその霊泉を分け、皆に幸せを与えなさい」(お告げの内容はあくまで勝手な創作です)との観音様のお告げを聞いたそうです。このお告げをもとに白石家は早速この地を科学的調査及び試掘し、源泉があることが確認されたそうです。お告げによって調査するなどということは、大地主だからこそなせる業です。
そして1998年、地下1500mまでボーリングを実施し源泉開発を行いました。開発当初は仮設の施設だったそうですが、2002年に本格的な日帰り入浴施設として営業を開始し、2005年には露天風呂の増築工事が行われ現在に至っているそうです。

「霊泉」とそのご利益を皆様方と分かち合うという、もともと営利を目的としていない開発だったところが他のスーパー銭湯と違うところでしょうね。

百観音温泉

早速館内に入ってみます。
百観音温泉
エントランスはバリアフリーになっていますが、なんとなく雑然とした感じです。
百観音温泉エントランス
これは色々なものがベタベタと貼られていることと、正面に自動販売機がズラッと並んでいるからでしょう。ま、エントランスが狭いという感じもありますので。 でも、下町の銭湯風でそれはそれでありかもしれませんね。
受付で入浴料700円を支払って入場しました。
領収書

早速、入浴します。当然ながらここからは写真が撮れませんので想像の世界です。
まずは一風呂と内湯に入りますが、泥のような色の風呂です。更にかなり塩っ辛く、気にはなりませんがホンの少し石油のような匂いがします。

大地からの贈り物(化石海水)
遥か遠く古代の化石海水が、地中胎内で15万年の時を経て、観音様たたずむこの聖地、関東平野の真ん中鷲宮で、天恵の滋養温泉となり、千載一隅湧き出ており、その湧出量たるや、毎分1000㍑と驚くもので、源泉温度57.0度と非常に高い温度を誇ります。
また、成分にいたっては、成分総計18,510mgと大変強力な温泉でございます。関東平野では珍しい、メタン93.1%と高純度の、天然ガスによる自噴(自然に噴出している)温泉です。
大地からの贈り物である、奇跡の温泉の力を損なうことがない様に、100%の源泉を加水加熱を行わず、掛け流し(ろ過機等を一切使用しない)で利用しております。
温泉の持つ黄褐色の色、味、香りの3つが融合した良い個性と、「心と体に効く温泉」を、どうぞ、ゆっくり、まったり、のんびりと、時を忘れてお楽しみください。
そして、大自然の懐の深さを身体で感じ、「気持ちいい」をお持ち帰りくださいませ。

浴用の適応症:神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・冷え性・慢性消火器病・痔疾・病後回復期・疲労回復・健康増進・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病

泉質:ナトリウム塩化物強塩温泉
(試料1kg中の成分・分量および組成=陽イオン 7065.0mg、陰イオン11240.0mg)』(百観音温泉パンフレットより)

そもそも化石海水とは昔の海水が地層の隙間などに閉じ込められたものです。化石とは無関係であくまで比喩的な表現です。
海底で地層ができる際には礫や砂などある程度大きい粒の間には隙間があり、そこに海水が取り残されるのですが、一般的にはその上に堆積した地層の重さで海水は押し出されほとんど無くなってしまいます。しかし何らかの条件が揃うと堆積当時の海水がそのまま残り、しかも地層が陸化した後も淡水の地下水とほとんど混ざることなく成分が保存されるそうです。
したがって海から離れた場所の温泉が海水に似て塩分が多い場合、その成分の起源が化石海水の場合があるそうです。そして石油にともなって産出することがあるそうで、石油層の地層と同じくらいの年代の層にあるとも考えられるようです。
こう言ったことから、食塩(主にNacl)を多く含んだ温泉を「塩化物泉」というそうで、旧泉質名では食塩泉と呼ばれ、新泉質名ではナトリウム-塩化物泉と呼ばれているそうです。
まさに「色、味、香りの3つが融合」というのがよく理解できる温泉です。

冒頭の本書の説明では毎分4800㍑とありましたが、単なる誤りでしょうか、それとも現在では湧出量が落ちたということでしょうか、どちらかは判りませんが、正式なパンフレットをとりあえず正しいものとしましょう。
それでは、この毎分1000㍑の湧出量とは度の程度のものなのでしょうか。
自噴湧出量のランキングでは1位は群馬・草津温泉の23,313㍑だそうです。18位の塩原温泉郷でも5,933㍑ですから、さすがに温泉地として名を馳せているところにはかなうべきも無いでしょうが、源泉温度57.0度は結構高いようで、草津温泉でも53.9度ですからその高さがわかります。
しかし、埼玉県内で見れば源泉温度・湧出量ともに県内1位のようです。ちなみに成分総量の一番多い県内の温泉は神川町の神流川温泉「白寿の湯」だそうで、35,700mgあるそうです。
因みに、これから推測すると確かに4800㍑は全国でも恐らく30位くらいになる感じですから、流石にありえないでしょうね。

参考:【埼玉県の温泉No.1】 http://www.geocities.jp/gauss0jp/onsaino1.htm

いずれにしても埼玉県内では誇るべき温泉といっても過言ではないということです。

内湯に烏の行水をしてから露天風呂に移ります。

日本有数の泉質を誇る贅沢な温泉です。
当温泉は療養型温泉です。
「身体を温泉効能で治療し、抵抗力をつけ、病気等に打ち勝つ力を持たせる」温泉治療で、心と体を癒す。それが、百観音温泉のテーマです。
百観音温泉は、純粋に温泉を楽しむ、安らぎの空間です。「自然からの恵み-温泉」に身も心も抱かれることによって、人は大自然のもたらしてくれる癒しを感じとるのでは・・・。
「菩薩の湯」「阿弥陀の湯」と名付けました二つのお風呂は、男女入れ替えて利用頂けますので、ご入浴を二倍お楽しみいただけます。
新設大型露天風呂(菩薩の湯)の奥には源泉口があり、奥よりあつ湯、手前側はぬる湯になっております。徐々に温度が変化するので自分の好みの温度でお楽しみください。
可憐な花々に例えられた貸切風呂は、五部屋あり、ご家族・ご友人などと、くつろいだ時間をお過ごしになれます。
また、優れた泉質により、腰痛、アトピー、花粉症にと絶大な効果があったとの声も聞いております。
どうぞ、心ゆくまで温泉効果をお楽しみくださいませ。』(百観音温泉パンフレットより)

今日の男湯は「菩薩の湯」です。
確かに奥は少し熱いようですが、今日はぬるい湯にゆっくり浸っていたい気分です。
しばし、露天風呂の居心地と身体の解れを聞くようにじっと温泉を楽しんでみました。特に女性には美肌効果があるようです。

美人の湯
日本には「三大美人の湯」というのがあります。
群馬県の「川中温泉」、和歌山県の「龍神温泉」、そして島根県の「湯の川温泉」です。
泉質は順に「石膏泉」、「重曹泉」、「単純泉」と異なりますが、いずれも弱アルカリ性であり、ナトリウムイオンとカルシウムイオンを含んでいるという共通点があります。
当温泉も弱アルカリ性(PH7.64)の泉質で、ナトリウムイオン(6.560mg)とカルシウムイオン(431.6mg)が多量に含まれています。
そのメカニズムは、皮膚表面上で皮脂のカルボン酸がナトリウムイオン、カルシウムイオンと反応して、カルボン酸ナトリウム、カルシウム塩が形成されます。カルボン酸ナトリウムは界面活性剤で、いわゆる「石鹸」です。その働きはすみずみまでしみ込んで汚れをはがし、乳化するので「肌がしっとり」。
また、カルシウム塩には「ベビーパウダー」のような作用があるため湯上り後に「すべすべ」した感じになります。
美肌にどれほどの効果があるのか是非、当温泉を体感してください。』(百観音温泉パンフレットより)

PH=7の場合が中性で数値が大きくなるとアルカリ性ですから、確かに弱アルカリ性に違いないです。県内で一番アルカリ度の高い温泉はときがわ町の都幾川温泉「とき川」で、PH=11.3あるそうです。
ナトリウムイオンとカルシウムイオンによって美肌効果があり、更に食塩系の塩化物泉は体が温まりやすく湯冷めしにくいという特徴を持ち、そしてさまざまな成分により「身体によさそう」(これは科学的に証明できませんからね)な温泉として、一石二鳥も三鳥もありそうな温泉ですね。

そして最後のこれらを裏付けるようなデータがあります。

日本天然温泉審査機構より、すべての項目で”5”を認定された全国最高クラスの数少ない天然温泉です。
天然温泉利用証
●源泉名:東鷲宮百観音温泉 日本温泉協会会員
●湧出形態:掘削自噴
●泉温・湧出量:57.0℃ 毎分1000㍑
●源泉所在地:埼玉県北葛飾郡鷲宮町大字西大輪字下出868-1
●泉質名:ナトリウム-塩化物強塩泉
●掲示用泉質名:塩化物泉(PH7.9)
●引湯方法・距離:源泉地
●循環装置:なし(豊富な温泉が常時浴槽に注がれ循環はしていません)
●給排湯方式:完全放流式(豊富な高成分の温泉が常に浴槽に注がれています)
●加水・加温:なし(湯量豊富な温泉を熱交換による低温泉を高温泉に加えて適温にしています。高温泉に低温泉を加えて温度を調整し加温はしていません)

利用源泉に関する項目:源泉 5、泉質 5、引湯 5
浴槽の温泉利用に関する項目:給排湯方式 5、加水 5、新湯注入率 5
*自然度・適正度の目安:5>4>3>2>1
発行年月日:2005年6月1日 掲示有効期限:2010年5月31日
認定No.000148-2 日本天然温泉審査機構』(百観音温泉パンフレットより)

行く前までのイメージは、スーパー銭湯の先駆け的な温泉で、今や時代に遅れ気味になっている温泉だが、地元の年配者には今もって根強い人気がある、といった勝手な思い込みがありました。
施設(休憩所などの温泉部分は除いて)に関しては確かに銭湯のイメージ、或いは時代遅れのスーパー銭湯的なイメージもあるが、これも名前と共にこの温泉のある種の個性だと思えば納得できるところです。
休憩所
ですが、この温泉を純粋に楽しむという目的なら、目先だけを変えたスーパー銭湯より格段貴重かもしれません。ある意味では「霊泉」というイメージが非常にしっくりくるのも頷けます。

そんな、気持ちの良い温泉で、昼下がりの3:00過ぎに露天風呂に浸っていれば誰だって極楽ですね。
こんな贅沢は、意外と出来そうで出来ないことかもしれませんね。いやあ、本当気持ちよかったです。

最後にこの気持ちよさをおすそ分け、ということで、建物の裏手にある貯湯槽の前に「温泉スタンド」がありました。
温泉スタンド
いわき市湯本温泉の【温泉スタンド】を思い出しましたが、同じようにここにもスタンドがあり30?/100円で購入できるそうです。

家庭のお風呂が「霊泉」に… 的なコピー(ダサ!)が浮かんでくるようなスピリチュアルな温泉でしたが、歴史にオタクに温泉と様々な文化の交じり合った摩訶不思議な町でした。

2009.10.27記

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