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馬の温泉

JRA常磐支所正門今回はアクシデントもなくスムーズにAM10:30頃いわき市に到着いたしました。
初めに訪れたのは実家から車でホンの10分程の近さにある”馬の温泉”で、標識のところに立派な入口があります。


JRA常磐支所正門看板JRA常磐支所専用道路正式には「日本中央競馬会 競走馬総合研究所常磐支所」で、入口を過ぎると道路上に”日本中央競馬会 専用道路”と書かれていて、敷地の広さが想像を絶する思いです。
2,3分走ると見学者専用の駐車場があり案内板があります。


施設概要
敷地総面積 約166、044.97㎡、建設面積 約4、301.59㎡、厩舎 4棟 40馬房、パドック 大小61、馬場 1周 400m、温浴場 1棟 浴槽数 6、ウォーターウォーキングマシーン 直径13m、ウォータートレッドミル 20.5mX0.92m、温浴貯温槽 25tX2槽、馬スイミングプール 直径 15m、採草地 約35,000㎡、
■成分分析表
源泉温度 摂氏58.0度(気温 摂氏25.0度)、外観 微白濁、臭味 硫化水素臭、水素イオン濃度(ph)7.68
■どのような馬が療養に来るか
A:腱・靭帯炎 55%、B:骨折 27%、C:関節炎 6%、D:筋炎 5%、E:その他 7%』(現地案内板より)

白鳥の鳴き石・・・って、どこ?というようなことが記載されてサッパリ想像すら出来ませんが、逆に興味がふつふつと湧いてきます。
特に競馬が好きというわけではないのですが、一通りの浅い知識と興味は持ち合わせていますので。
車を置いてここからは歩いていくようですが、案内板には「白鳥の泣き石」という史跡がこのすぐ近くにあるようなので観てみました。地図ではここのようですが何かそれっぽい石がありません。


とりあえず調べてみましたら、そもそもこの石は那須野ヶ原にあり、石の上を通過する鳥は落下し、周辺には草木が生えないという恐ろしい石で、祈祷師が呪文を唱えるとこの石は9個に分かれて飛び散り、その中の1つがこの地、白鳥村に飛んできたということだそうです。その正体は白面九頭九尾の狐だったといわれ、以来土地の人たちが供養したというのがこの石の由来です。

後でよくよく見ればうっすらと木の陰に石らしきものが写っていましたね。こういうところは良く見てくれば良かったのですが、性格ですかね・・・。
また次回行った時に写真を撮ってくることにしましょう。そういわれればこの辺には白鳥温泉とか言うところがありましたね。

ずっと続く馬場さて、ここから歩くのですが右側には立ち入り禁止の馬場が広がっています。


正門と受付管理棟馬場を眺めながら5分くらい歩いていくと常磐支所の正門に到着です。正門を入ると正面に受け付けのある事務所棟がありましたので、受付をしパンフレットをいただきました。
見学は無料ですが、観光施設ではないのであくまで限られたエリアだけでの見学のようで、事務所棟の前の道を往復するだけのようです。


パンフレットに詳しく説明がありました。

『競馬の主役である競走馬は、日頃の厳しいトレーニングにより鍛えられ、レースに出走しています。しかし、その過程で故障を発症し、引退や長期療養を余儀なくされる競走馬も少なくありません。
競走馬総合研究所常磐支所は、このような故障を温泉療法により回復させること、また、温泉療法の効果に関する研究を行うことを目的とし、昭和38年5月に設立された、世界にも類を見ない「馬の温泉療養所」です。入所する競走馬の大半は屈腱炎や骨折などの運動器疾患罹患馬で、定期的に行われる獣医学的検査や装蹄療法、さらには競走馬としてのトレーニングに耐え得る体力を回復させるためのリハビリテーションをほぼ毎日実施しています。
特に、「不治の病」と言われ完治が難しい屈腱炎に関しては、さまざまな研究データから得た診断と治療法、リハビリテーションプログラムにより回復が可能となり、多くの競走馬がレースへと復帰できるようになりました。
設立以来、当支所で療養した競走馬の多くがG1競争を含むレースで活躍しています。今後とも、より科学的なリハビリテーションを追及することにより、傷ついた競走馬をレースに復帰させ、質の高いレースを提供し、ファンの皆様に喜んでいただくことが常磐支所に課せられた使命だと考えています。』(パンフレットより)

実際の競走馬の舞台裏は良く知りませんが、かつて”ダビスタ”に嵌った私としてはそれなりに浅はかな知識は有しています。
”ダビスタ”では訓練をやりすぎると結構屈腱炎にかかり、放牧しなければならないことが多くおきます。文字通り屈腱炎は腱繊維が断裂 し患部に発熱、腫脹を起こしている状態のことを言い、スピードのある馬がかかりやすいといわれています。
馬の場合、炎症ですから冷やして治す的な簡単な話では無い様で完治するのも難しい厄介な故障です。それゆえに期間や費用もかかることから手術や治療は実績馬や名馬に限られているようで、それ以外の馬はほとんど引退するみたいですが、少しでも長くサラブレッドとして活躍するために、このような温泉の効果を活かしている施設は、世界的にも珍しいそうなので、一度見ておく価値は十分あるでしょうね。

ポニーのミミ号事務所棟の道の反対側にはポニーの”ミミ号”がいます。
どうやら支所のマスコット的存在のようで、子供たちが喜ぶのでしょうね。


レインキャスケード号その隣にはサラブレッドの”レインキャスケード号”が飼われているようです。
特に有名馬ではないようですが、サラブレッドのサンプルとして飼われているのでしょうが、父が「ウィニングチケット」というところが多少そそられます。


サラブレッドという名称自体「徹底的に(THOROUGH)品種改良されたもの(BRED)」という語源からきていて、強く速い馬の血を残し、さらに強く速い馬をつくりだす、いわば血統がすべてといっても過言ではない競走馬です。
すべての父系の血統は3頭の馬に行きつき、ニックスやインブリードによって掛け合わせたのは”ダビスタ”の世界でしたが、随分と懐かしい思い出です。

温浴場温浴場先に進むと”馬の温泉”施設があります。
ここがこの支所の支所たる所以の施設の「温浴場」です。


馬の温泉浴
温泉浴は、温熱作用と温泉成分の化学作用により、損傷を受けた組織の修復を促すこと、調教や競争のストレスから開放し、リラックスした状態で支所でのリハビリを行うことを目的として実施しています。
競走馬たちの温泉浴に使用しているお湯は、近隣のいわき湯本温泉から引いています。
この温泉は、ナトリウム塩化物・硫酸塩温泉であり、ヒトの神経痛・筋肉痛・疲労回復などに有効であるとされています。
源泉の湯温は約60℃ですが、支所内の貯水槽に達する際には約50℃まで低下し、これをさらに38~40℃に冷まして使用します。
浴槽は6基あり、水位は約80cm、すなわち馬の胸前くらいの深さで、上部に設けられたシャワーからは肩・背・腰に温泉を浴びせます。また、浴槽内には超音波発生装置を備え、脚部のマッサージも可能となっています。
温泉浴は、1日の運動終了後に10~15分間行います。初めのうちは躊躇する馬もいますが、ほとんどの馬が1~2日で慣れ、進んで浴槽に入るようになります。入浴中の馬は非常におとなしく、気持ち良さそうに目を細めたり、あくびをしています。このような姿からも、温泉浴が競走馬のストレス軽減に有効であることがわかります。』(現地案内板より)

温浴中実際に中には温泉浴をしている馬がいます。間近で見れるわけではないので馬の表情まではよく判りませんが、じっと温泉浴をしている姿を見るときっと気持ちが良いのでしょうね。
案内板にもあるとおり調度馬の胸前辺りからが外に出ていて、上から温泉シャワーがあてられています。 気持ち良くリラックスしているのでしょうね。


ウォータートレッドミル棟温泉浴の先にガラス張りの施設があります。


ウォータートレッドミルとは
肢に故障のある競走馬はその病気が完全に直らなければ陸上での調教を行うことはできません。
それは、調教することにより体重の何倍もの重さが肢にかかり、病気が再発してしまう恐れがあるからです。しかし、走ることを職業とする競走馬にとっては、いつまでも休んではいられません。
そこで、常磐支所では日本で始めての競走馬用スイミングプールを昭和50年に設置し、早期のリハビリテーションを行ってきました。
そして、スイミングプールに次ぐ調教施設として導入した装置が”ウォータートレッドミル”です。

ウォータートレッドミルとは下の図の様に深さ1.2~1.3mの水の底に設置されたベルトコンベヤーの上を馬が歩くことによってリハビリテーションができる調教施設です。
ウォータートレッドミルの特色
①体重の40%近くが浮力により軽減できるため肢への負担が少ない。
②足が水の底に着くことで骨や腱、関節をある程度強くすることができ、泳げない馬にも使用することができます。
③歩くスピードは機械を操作することにより、自由に変えることが可能です。
④ウォータートレッドミルの壁からは超音波による気泡が吹き出していて、それが馬体にあたることで筋肉のマッサージを併せて行うことができます。
⑤使用している水は常時20℃に保たれているので、夏しか使用できないスイミングプールと異なり、年間を通じて使用することが可能です。』(現地案内板より)

ウォータートレッドミルという施設ですが、今日は残念ながら稼動していませんでした。
意外なことに馬にも”カナヅチ”っているのですね。てっきり馬の場合はヒトと違って100%泳げるのかと思っていましたから。昔から西部劇の映画などでは馬は泳いで川を渡っていましたよね・・・
ちなみに哺乳類で泳げないのはキリンやコウモリ、そして類人猿だそうです。キリンなどは呼吸器官に潜望鏡が付いているようなものだから深い川や海等にはうってつけのような気もしますが、天は二物を与えないのですね。

ウォータートレッドミルの先は馬場になっていてここからは立ち入り禁止です。徐々にトレーニングでこの馬場を走るのでしょうね。やはり今日は土曜日なので余りトレーニングは活発に行なわれないのでしょうね。

「馬頭観世音菩薩」碑その馬場の手前で花を手向けている方がいらっしゃいました。
行ってみるとそこには「馬頭観世音菩薩」碑が建っています。


馬頭観音は、もともと仏教における信仰対象である菩薩の一尊で、衆生の無智・煩悩を排除し、諸悪を毀壊する菩薩なのですが、近世以降は国内の流通が活発化し、馬が移動や荷運びの手段として使われることが多くなり、「馬頭」という名称から馬が急死した路傍や馬捨場などに馬頭観音が多く祀られ、動物供養塔としての意味合いが強くなっていったそうです。
そして民間信仰では馬頭観音は馬の守護神としても祀られ、更に馬のみならずあらゆる畜生類を救う観音としても崇められているそうです。
そして現在の日本においては競馬場の近くに祀られていて、レース中に亡くなった馬などの供養に用いられている場合もあるのです。そのような意味でこの地に「馬頭観世音菩薩」碑があるのは当然といえば当然なのでしょうね。

サラブレッドは”ガラスの脚”と形容されるほど、脚は馬の一番の見せ所でもあると共に泣き所でもあります。品種によって馬の体重は異なりますが、軽種馬であるサラブレッドの場合でも400kg~600kg程度となり、静止して立っている状態でも足1本あたり100kg以上の負荷が掛かることになり、怪我や故障の原因になりやすい場所でもあるのです。
その下肢部に骨折やヒビなどの故障が発生した馬は、その自重を他の健全肢で支えなければならないため、過大な負荷から健全肢にも負重性蹄葉炎や蹄叉腐爛といった病気を発症するケースが多く、そのため病状が悪化すると自力で立つことが不可能となり、最終的には衰弱死、もしくは痛みによるショック死へと至るそうです。
この対策としては下肢部の負荷を和らげるため、胴体をベルトで吊り上げたり、水中による浮力を利用するためプール等を用いて治療します。まさにこの支所の役割でもあるのですが、必要な治療費が莫大な金額になり、またこのコストに対して生存率も高くないなどリスクも大きく、大多数の競走馬は安楽死処分されるのです。
この判断が「予後不良」という競馬会独特の言葉で、これも”ダビスタ”では突然やってきて実に暗いイメージなモノと捉えられていました。
現在の競走馬の安楽死処分は薬殺で、その後、荼毘に付されたのち、馬頭観音に供養されるのです。
まさにサラブレッドは命と引き換えにレースに挑んでいるといっても良いかもしれません。そういった意味では遅い馬だってやはり温かい目で応援してあげなければならないでしょう。
「無事これ名馬」とはまさにこのことですね。

お馬さんのプール看板お馬さんのプールここまでが見学コースなのでこれで戻ります。
事務所棟に戻ると右手に”お馬さんのプール”と書かれたイラストの看板があり、その後ろにプールがありました。


『この施設では30頭ほどの競走馬が療養しています。足に故障のある馬がほとんどなので水泳は故障箇所に負担をかけずに体力維持・トレーニングができ最適です。ここでは、5月なかばから10月までの約半年間スイミングトレーニングを行なっています。
時間 13:00~ (土日・祝日は休み)』(現地案内板より)

残念ながら土曜日なので、ここでもトレーニングは見ることはできませんが、”ダビスタ”でもおなじみの光景でしたね。
このようにして1頭1頭を大事に療養させ、JRAの大事な財産とでも言うべきサラブレットを守っているのがこの施設なのです。
そしてこの支所で療養して見事に復活を果たした馬は数多くいるようですが、主な有名馬の一覧がこの支所の歴史と共に受付にパネル展示されていました。

当支所の変遷と療養した名馬たち
■昭和38年 競走馬保健研究所(現、競走馬総合研究所)常磐支所設立
《ヒカルイマイ》(昭和46年11月~昭和47年3月滞在) 
昭和46年皐月賞、ダービー優勝
■昭和50年 馬スイミングプール設置
《タケホープ》(昭和49年6月~7月滞在) 
昭和48年ダービー・菊花賞優勝 昭和49年天皇賞(春)優勝
《グリーングラス》(昭和53年6月~8月・昭和54年6月~8月滞在) 
昭和51年菊花賞優勝 昭和53年天皇賞(春)優勝 昭和54年有馬記念優勝
■昭和63年 ウッドチップ逍遥馬道および物理療法棟設置
《オグリキャップ》(平成元年4月~7月・12月~平成2年2月・7月~8月滞在) 
昭和63年有馬記念・平成元年マイルチャンピオンシップ優勝 平成2年安田記念・有馬記念優勝
■平成7年 ウォータートレッドミル設置
《トウカイテイオー》(平成4年5月~7月滞在) 
平成3年皐月賞・ダービー優勝 平成4年ジャパンカップ・平成5年有馬記念優勝
《ミホノブルボン》(平成5年10月~平成6年2月滞在) 
平成3年朝日杯・平成4年皐月賞・ダービー優勝
■平成10年 ウォーターウォーキングマシーン設置
《オフサイドトラップ》(平成8年2月~9月滞在) 
平成10年天皇賞(秋)優勝』(現地案内パネルより)

このように復活を果たした馬、また残念ながら力尽きた馬など様々な馬の運命を見てきた施設と言っても良いかもしれません。
競走馬好きは当然ながら、そうではない方も何か心打つものを感じるかも知れません。
この地を訪れたなら一度は見ておいても良いと思いますね。

参考:【競走馬総合研究所 常磐支所】 http://www.jra.go.jp/facilities/etc/lab_iwaki.html

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