古代の里

「八莖寺」に行けなかったので「薬王寺」を出たはPM2:30頃でした。
時間は十分あったのですが、特に訪れるところも決めていなかったので、今日は一旦これで蟹洗温泉に戻ることにしました。 大衆演劇も中止なので、家内たちも暇をもてあましていることだろうとも考えられましたので。
結局、県道41号線をまた「玉山古墳」の方に戻ることとし、ちょうど県道41号線から常磐道四倉ICへ分かれる交差点付近で「アンモナイトセンター」と「海竜の里」の道標がありましたので、時間もありちょっと寄ってみようかと、進路を北東に変えました。

「アンモナイトセンター」も「海竜の里」も、かつて15年位前一度訪れたことがあるので、もともと目的地と考えていませんでした。 結構当時の記憶も残っているので、新鮮味は無いでしょうが暇つぶしの意味でいってみる事にしたのです。
県道41号線を左折して県道35号線をひたすらまっすぐ走り、川を渡るとまもなく交差点に出ます。 この交差点を左に行くと県道247号線で、谷地鉱泉、アンモナイトセンター方面。右は県道246号線で入間沢鉱泉、海竜の里方面です。
まずは「アンモナイトセンター」に向かいます。

いわき市アンモナイトセンター

県道247号線を途中で左折すると谷地鉱泉を通ります。
入間沢鉱泉といいこの辺りは鉱泉が出るようですが、実際、鉱泉ってどんな定義なのでしょうか。
環境庁の鉱泉分析法指針によると、地中から湧出する泉水で何らかの物質を含んでいるか、泉温が泉源周囲の平均気温より常に著しく高温である」ことを言っていて、鉱泉も温泉も同じと定義されているようです。
ただ、一般的には25度以上の湧水を温泉、25度未満の湧水を鉱泉と言っているようです。したがって少なくても鉱泉は一度沸かさなければならにということで、かけ流しということがあり得ないということです。

アンモナイトセンターこの谷地鉱泉を過ぎると右側にアンモナイトセンターの洒落た印象的なサインが見えます。


アンモナイトセンター奥へ進むとセンターの建物が見えます。記憶よりずっと小さな建物です。
土日は体験発掘が出来る日のようですが、3:00を過ぎていたので終了していたようです。
観覧料の250円を支払って入館しました。


アンモナイトセンターエントランスアンモナイトセンターエントランスエントランスには本物の化石とオブジェが置かれています。
このアンモナイトのオブジェは何となく記憶に残っていました。


メソプゾシア ユーパレンシス正面には様々な化石が展示されています。
実際に触れられる化石の展示です。


学名はメソプゾシア ユーパレンシスで、地質時代は白亜紀後期前期コニアシアン期のものだそうですがさっぱりわかりません。
まず白亜紀とは1億4000万年前から6500万年前という大変長い期間で、その中のコニアシアン期が8930万年~8580万年前のことをいうそうです。少なくてもACでも約2000年ですから途方も無く昔々の時代です。何億光年よりは短いでしょうが、どちらにしても頭の痛くなる話です。
この白亜紀っていう時期は地球の歴史の中で気温の高い時期だったようで、恐竜の全盛時代だったそうです。その前のジュラ紀がジュラシックパークの如く恐竜の出現時代でしたから。 このような時代だからこそ、このようなアンモナイトが生存していたのでしょう。
しかし恐竜やアンモナイトが我が世の春を謳歌した白亜紀も約6500万年前の巨大隕石の衝突(と考えられている)による、全生物種の約60%が死に至った大規模な絶滅とともにアンモナイトも姿を消したのでした。
そして今6500万年の時を越えて現代人の前に現れたのが、このアンモナイトの化石たちなのです、とドキュメントタッチで言えばこうなるでしょう。
現在日本でのアンモナイトの世界的産地といわれているのが北海道で、これまでに600種類以上が発見され、特にアンキロセラス類の産地として有名なのだそうです。

メタゴラセンチカラエさてこのアンモナイトの化石は時として化石以上の価値を持つものが稀に出現するようです。
それが隣の展示されているアンモナイトで、「メタゴラセンチカラエ」という深紅のルビーのような美しいアンモナイトです。


きれいなアンモナイト
アンモナイトの中には、ごく稀に化石になるときにもとの殻の組成を残して真珠のような光沢をするものや、アンモナイトの部屋をくぎる隔壁と殻が交わるところの模様(縫合線)がきれいに残っているものが採集されます。そのようなアンモナイトは観賞用やアクセサリーとして愛好家の中でも人気があります。』(展示ケース解説文より)

ユーバキディスカスこれを見ているときにちょうどスタッフの方でしょうか、「どうです美しいでしょう」と声をかけられました。美しい旨の感想を述べると「個人的にはこちらの方が、より綺麗だと思うのですけど」と隣にある「ユーバキディスカス」を指差していました。これは縫合線が綺麗に残っているものの代表なのでしょうね。


恐らく一般的にいう美しいの概念は「メタゴラセンチカラエ」なのでしょうが、学術的にいう美しいという概念は「ユーバキディスカス」のことを言うのかもしれません。
「他でアンモナイトを見たことがありますか?」と聞かれたので、【いわき散策記 vol.1】で訪れた「いわき石炭・化石館」で触っても良いというアンモナイトを見たような気がするというと、ここにある幾つかは「いわき石炭・化石館」から貸し出されたものだとのことでした。
ちょうど来年の4月まで「いわき石炭・化石館」がリニューアル中だそうなので、その間ここに展示されているそうです。

たまたまネットで何気なく「アンモナイトセンター」を調べていると面白い記事を見つけました。
いわき市のオフィシャルサイトに記載されていた”いわき市アンモナイトセンターの指定管理者選定について”というものです。
この「アンモナイトセンター」はいわき市が所有しているのですが、運営・管理は(財)いわき市教育文化事業団に委託されています。そしてこの委託期間5年間が今年度で終了するため、来年度2010年4月からもまた(財)いわき市教育文化事業団に委託するとの内容でした。

その中で、興味を引かれたのが平成18年度指定管理者施設管理評価票における”平成18年度の状況-評価”で、そこには

『平成18年度に実施した教育文化施設モニタリングでは、来館者に対するあいさつ、案内等が少ないとの意見があったため、接遇の基本に立ち返った対応が必要と考える。』(いわき市オフィシャルサイトより)

と記載されていました。

確かに、このセンターの指定管理者の選定は非公募で、その理由として、

『 本施設は、学術的に貴重なアンモナイト等の化石の保護及び保存並びに地学教育に資することを目的に設置した教育施設で、管理運営を行ううえで専門的な化石の知識やそれに伴う発掘技術を有する職員が必要不可欠な博物館類似施設でもあることから、開館以来、管理運営を受託してきた実績と経験を有しており、当該能力にある職員を配置することが可能な現管理団体を指定管理者とすることにより、施設の設置目的に沿った最も効果的な管理運営が実施できるため。』(いわき市オフィシャルサイトより)

ということが挙げられており、もっともな事だと思います。
ただ、その反面営利を主としないことからサービス面で行き届かないところがあっても仕方が無いことなのでしょうが、昨今親方日の丸でもそう言ってはいられない時代ですから、先のモニタリングのようなことも表れてくるのでしょう。
そういったことの延長線上にあることと考えれば、ある意味単なる案内よりも優れたコミュニケーションの一つかもしれないと感じ入りました。

展示室ここからはメインの展示室というか、なんと言うか…メインです。
太古からの歴史を絵でわかりやすく説明された通路を抜けると、まさに古代アンモナイトの世界、という程のことも無いがまさに発掘現場そのままの展示室です。


上から眺める発掘展示場下から眺める発掘展示場ここは双葉層とよばれる地層が露出している化石産出地を壁と屋根で覆った形で建設された博物館で、日本初の観察施設なのです。
露出している地層を360度上から下から眺めることが出来るような通路となっています。 したがってちょうど山の傾斜に合わせた建造物となっていて、判り易く言えば屋内スキー場というとわかりやすいかもしれません。

このセンターは日本でも珍しい形式の展示場なのですが、やはりアンモナイトの化石所蔵量が日本一なのが北海道三笠市の三笠市立博物館で、アンモナイトを始めとして展示物は3000点以上あるそうです。
変わったところでは、東京日本橋の三越、といえばあの有名な百貨店ですが、日本橋本店と新宿店の一部内装等で使用されているイタリア産大理石の中にアンモナイトやベレムナイト等の化石が大量に含まれていて、一部の化石には案内表示がされているそうです。こう言ったことも稀にあるのですね。

発掘展示場で発掘されたアンモナイトなど2度目ということもあってそれほど感動することは無かったのですが、化石の代名詞ともいえるアンモナイトですからそれなりのインパクトはいつでもあるようです。


発掘展示場で発掘されたアンモナイトなど地層展示室を出てエントランスに戻る通路には、大小様々な化石が展示されていました。
ここではアンモナイト体験発掘ができるのですが、「アンモナイト化石展」の最中にここで発掘されたアンモナイトも展示されていました。


参考:【いわき市アンモナイトセンター】http://www.ammonite-center.jp/

何度も訪れるところではありませんが、一度は見ておきたい化石の代名詞です。
ここからは「海竜の里」に向かいます。

いわき市海竜の里センター

「アンモナイトセンター」を出てから県道247号線からは県道246号線へ乗り継ぎ、暫く行くと右側に立て札があります。
「フタバスズキリュウ産出地」と書かれた案内板です。

フタバスズキリュウ産出地 所在地 いわき市大久町大久字板木沢
当地は、昭和43年10月、当時県立平工業高等学校二年生鈴木直君がフタバスズキリュウの化石を発見した場所である。
発掘調査には国立科学博物館小畠、長谷川両博士があたり第一次発掘調査で脊椎骨、骨盤、肋骨、後肢骨等が採集され、第二次発掘調査は、昭和45年10月から開始され残る脊椎骨、前肢骨(左右)胸骨、尾骨などが採集された。これらの化石は、中生代白亜紀後期、今から8000万年前の双葉層群玉山砂岩層から発見されたもので、同時代の環太平洋地域で発見されたものとしては最も完全な形をしている。アジア地域でも最初のものといわれ、首長竜の進化を論ずるうえできわめて重要な学術標本である。
発掘された実物は現在国立博物館に保管されその骨格複製模型はいわき市石炭化石館に展示されている。
昭和59年3月 いわき市教育委員会』(現地案内板より)

以前にここを通ったときには気がつきませんでしたが、今回は気がついてラッキーでした。
いわき散策記 vol.1 】でいわき市石炭化石館を訪れたときにエントランスにその模型が展示されていました。

フタバスズキリュウ産出地実際はどの地点かは分かりませんが案内板はこっちの方角を指していますので、このあたりなんでしょうね。
今も(って昔は知りませんが)長閑な場所で、手前の川が大久川というそうです。


すでに40年以上経過しているのですが、当時は現在より更に何もないところだったでしょうから、上や下への大騒ぎだったのではないでしょうかね。
まさに鈴木氏はその中のヒーローだったのでしょうね。現在はアンモナイトセンターの学芸員であるとのことですが。

いわき市海竜の里センターここから2,3分先に進むと「いわき市海竜の里センター」です。
前述したようにここは2度目の訪問です。特に変わった気配はないようです。


この施設は、昭和64・平成元年までにおける、いわき市のふるさと創生事業の実施に当たり、一般市民からアイディアを募集した結果、「フタバスズキリュウ」発見の地として、この化石を活用した町興し事業が選ばれたのです。
もともと昭和60年頃、この海竜で町興しをと地区に人たちが資金を出し、海竜産出地の近くに土地を確保し、海竜に因んだイベントなどを開催するのに活用しようと考えていたところに、降って沸いたふるさと創生事業とが合体し、平成3年にオープンした施設なのです。
当時は海竜の里協同組合が運営していたそうですが、平成8年にいわき市が買い取り公共施設となり、この際に観覧車などのアトラクションが設置されたそうです。

手づくり郷土賞最初は有志によって始められたということもあって入口付近に「手づくり郷土賞」の石碑が立っていたのですね。


海竜橋「海竜橋」を渡ると左側にアトラクションの観覧車などがあります。


ブラキオサウルス観覧車の隣の大きな恐竜が「ブラキオサウルス」という、全長は25メートル、体高は16メートルに及び、近年まで最も体高のあった恐竜のすべり台!です。


なんと大胆な発想だと感心しますが、ここで素朴な疑問です。何故「海竜の里」ではなく「恐竜の里」にしなかったのでしょうか。一般的ウケ狙いでは「恐竜」のほうがインパクト強いような気がするのですが。
そこで恐竜と海竜の定義を調べてみると、確かに一般的なイメージでは海竜も恐竜と思われているようですが、学術的には違うものなのだそうです。
このセンターのメインはなんと言っても「フタバスズキリュウ」です。そしてこの「フタバスズキリュウ」は種としては「首長竜」の分類となるようです。
そして逆に学術的な恐竜の定義は、あくまで地表に生息していたもののみを指し、「翼竜」「魚竜」「首長竜」などは一切含まないというのだそうです。したがって公共施設ということを考え合わせれば、ここを「恐竜の里」と呼ぶわけにはいかなかったのでしょうね。

リニューアル中のセンター右側にセンターがありますが、現在外壁リニューアル中のようです。


フタバスズキリュウ中に入ると右側に土産物、左側が展示室と何となく記憶がありました。
展示室に入るとすぐ手前に「フタバスズキリュウ」の模型が置かれています。


ステゴザウルス更に奥にある「ステゴザウルス」と良く分からない割れた卵…卵からかえったということを意味するのでしょうが、このあたりは結構記憶に残っていました。


骨格の標本ただ展示室の左側にある骨格の標本は昔は無かった気がします。


見ると何とこの骨格標本は日テレの「鉄腕ダッシュ」で放映されていた恐竜発掘プロジェクトで見つけられた「首長竜」の化石標本です。「鉄腕ダッシュ」は何故か昔から好きで、最初の頃は夜遅くやっていた(ような気がするのですが記憶が定かではない)頃から見ていました。
当然、恐竜発掘プロジェクトはずっと見ていたのですが、ここでやっていたとは全く気がつきませんでした。どうやらこのセンターの先の大久川で発掘されたそうです。
そして発掘された化石はいわき市に寄贈されて、ここに展示してあるということです。さすがに現在では話題性が無いのですかね。
因みに家内は福島県にあるダッシュ村に行ったことがあるようで(勿論、中まで入れませんが)、途中三瓶さんを見かけたそうです。今度ダッシュ村に行ってみよう。

参考:【いわき市海竜の里センター】http://www.city.iwaki.fukushima.jp/map/1315/002547.html

前回にはなかったちょっとそそられる展示を見て「センター」を出ることにしました。すでにPM4:00過ぎでさすがにまだ暗くなってはいませんが、結構寒くなってきましたので、このまま蟹洗温泉に直行してゆっくり温泉に浸かろうかと思います。
それなりに楽しめた1日でした。

関連記事
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメントの編集・削除時に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)


    トラックバック

    Trackback URL
    Trackbacks