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豊間海岸

奇しくも寺社巡りとなった今回の散策ですが、後半は海岸を巡ります。
今更ながらですが、いわき市は海岸が有名で特に「いわき七浜」といわれるくらい現在では風光明媚な海岸として、そしてファミリーやカップルなどに人気のビーチとして賑わっています。
前回の散策では久ノ浜海岸、四倉海岸と七浜のうち2つの海岸を散策しましたが、今回は更に南下して平地区周辺の海岸を散策することにしました。
6月になって陽も大分長くなったので、半日で随分と散策ができるようになりました。夏本番を迎える前のいわきの海を堪能してみることにします。

二見ヶ浦

「西光寺」からそのまま南下したところが「豊間海岸」です。勿論「いわき七浜」の一つで、合磯岬から塩屋崎灯台のある塩屋崎岬までの間が「豊間海岸」なのです。 まずはその「豊間海岸」の一番南端である「合磯岬」に向かいます。
いわき二見ヶ浦「西光寺」からは車で3~40分程度でしょうか。海岸沿いに到着して早速海岸に向かうと、「合磯岬」の突端に二つの突き出た岩が見て取れます。

いわき二見ヶ浦そう三重県二見町の伊勢湾に浮かぶ夫婦岩である「二見ヶ浦」に似ていることから「いわき二見ヶ浦」と呼ばれている岩搭です。

二見町の「二見ヶ浦」はすでに全国区でしめ縄を張られた光景はもう正月の風物詩といっても過言ではありません。
そんな本家の「二見ヶ浦」と比べると知名度は落ちるもののスケールではいわきのほうが勝っているともいえるようで、二見町の「二見ヶ浦」の高さは大岩が9メートル、小岩が4メートルに比べ、「いわき二見ヶ浦」は男岩(大岩)が15メートルで、根周り30メートル、女岩(小岩)が14メートル・根周り28メートルという圧倒的なスケールを誇っているのです。
また、本家「二見ヶ浦」にないものが子供岩で、特に水位の高低差の激しい大潮の時期にはっきりと現れるようで、今日は5日ですから見ることができないのでしょう。更に大潮のときにはこの付近一帯は遠くまで海食台が表れて洗濯板のような岩礁を見ることができるそうです。恐らく夫婦岩の中央にある平らな岩はきっと岩礁なのでしょう。

そんな自慢比べをしても所詮マイナーな夫婦岩の足掻きでしょう。
勿論、地元では「いわき二見ヶ浦」として最高に賑わうのがやはり正月のようですが、確かに水平線の日の出が良く似合いそうな光景です。正月にはその初日の出見物の人たちがひしめいているそうですが、それでも本家のようにメジャーになりきれない重要なファクターが欠落しているのです。
本家「二見ヶ浦」にあって、「いわき二見ヶ浦」にないもの…、それが〝しめ縄〟なのです。
そもそも本家「二見ヶ浦」が有名なのは江戸時代の浮世絵師が描いたことから知られるようになったのですが、一般的には「夫婦円満・家内安全」「海上保安・大漁追福」などの象徴・祈願であり、また太古では古神道における磐座信仰といわれる自然に存在する象徴的なものや場所のうち、特に山、岩、巨石などを神体とし、そのためそれらにしめ縄を飾ったり、鳥居を備えたりして神が宿っている証とし信仰したことが始まりなのです。
また、古神道での表裏一体という概念の具現化であったり、イザナミとイザナギのような夫婦信仰などの要素の集合体が夫婦岩なのです。したがって「二見ヶ浦」のような夫婦岩には最低限神が宿っている証である〝しめ縄〟が必要不可欠なのです。

それなら〝しめ縄〟を飾れば良いではないか、と一般的には考えますね。そう、ここ「いわき二見ヶ浦」もそう考えて実際に昭和60年頃に2度ほどしめ縄を張ったことがあるそうです。
一度目はテンションが掛からず海中に一部没したため、二度目はワイヤー入りのしめ縄を張ったのですが、岩搭の先端部分が崩れたため断念したそうです。どちらも夫婦岩の間の距離が50メートルくらい離れていることが原因のようです。
〝しめ縄〟が有ろうが無かろうが価値には変わりないのですが、やはりスピリチュアルな雰囲気は醸し出せないですね。
それでもここは「いわき100景」として恥ずかしくない風景であることもまた確かな事実です。
ちなみに全国にはこれらの夫婦岩は多く、それらの自治体が集まって現在「全国夫婦岩サミット連絡協議会」なる団体が存在し、「全国夫婦岩サミット」が開催され、最近では昨年12月に第18回サミットが開催されていたようなので、やはり全国的に観光資源としての価値は高いようです。

合磯海水浴場二見ヶ浦と反対方向をと見れば遠くに塩谷崎の灯台が薄らと見ることができます。

この海岸線が「豊間海岸」ですが、「二見ヶ浦」の近い海岸は「合磯海水浴場」として、この「いわき二見ヶ浦」の風景とサーフィンなどのマリンスポーツのメッカとして人気があるビーチなのです。
ずっと「あいいそかいすいよくじょう」と読んでいたのですが、実際は「かっそかいすいよくじょう」と読むそうで、これは地元の人しか読めませんね。 風景の良いところで海水浴とは実に気持ちのよいビーチでしょう。当然「いわき100景」に選出されていることは言わずもがなです。

豊間海水浴場

海岸沿いを北上し塩屋崎灯台寄りの海岸が「豊間海水浴場」です。
豊間海水浴場何処から何処までがという明確な線引きは当然ありませんが、監視台に「豊間海水浴場」と書かれているのでこの辺りがそうなのだと思うほかないようです。

豊間海水浴場さすがに太平洋の海は綺麗でマリンブルーの海とスカイブルーの空とのグラデーションは見ていて飽きないアートです。

豊間海水浴場そして左手に見える白亜の灯台が塩屋崎灯台です。

塩屋崎灯台は【いわき散策記 vol.1】で訪れていますので今回はパスですが、やはり一度は訪れてみるべきポイントです。

豊間海水浴場今回は砂浜を散策しますが、先ほどの監視台に「福島の遺産100選認定、鳴き砂の豊間海岸 鳴き砂は県内でここだけ!! いわき市豊間観光組合」と記載されているのが気になります。
一つずつ解明していきましょう。

まずは「福島の遺産100選」です。これは地元の新聞社〝福島民友〟が実施したもので、当サイトの開設のきっかけとなった埼玉新聞社の「ふるさと100選」と同じ主旨のもののようです。民友サイトに当時のプレスが残っていたので引用します。

『「あなたが選ぶ『福島遺産 百選』」選定事業で、県内60市町村のふる里の誇りである「福島遺産」120件が30日、決まった。同事業は福島民友新聞社が、全国に誇る美しい自然や歴史、文化、建造物など本県が有する「宝」を全国に発信、地域の活性化につなげるため、県、県教委などの後援で進めてきた。「福島遺産」には全国区となった花見山(福島市)をはじめ鶴ケ城(会津若松市)や白水阿弥陀堂(いわき市)、須賀川の松明あかし(須賀川市)など自然景観や伝統行事、歴史的建造物が名を連ねた。
福島遺産は当初、100件を選定する計画だったが、本県には数多くの「宝」があることから枠を広げ120件とした。
地域別にみると、浜通りが23件、中通りが57件、会津が40件。各地域に占める市町村数に配慮した地域バランスの取れた結果となった。(2007年10月31日 福島民友ニュース) 』(福島民友サイトより)

これで少しでも観光資源としての価値が上がれば各地域の活性化にもつながるといったところでしょう。
埼玉のふるさと100選でもそうでしたが、県内に住んでいても意外と知らないところが多いので、知名度や集客には良いかもしれませんが、一般投票のため組織票で思わぬ場所やモノが選出されているのがあり、若干首を捻りたくなるものもありますが、概ね訪れてみると〝なるほど〟と納得できる選定理由が理解できましたね。
そしてこの豊間海岸は「豊間海岸と塩屋埼灯台」として選定されており、やはり福島民友に解説が掲載されています。

豊間海岸と塩屋埼灯台(いわき市)
-鳴き砂と市のシンボル-
いわき市の豊間海岸は、地元の住民が献身的な清掃活動を続けており、美しい砂浜が広がっている。市内には鳴き砂の砂浜が数多くあったが、現在では同海岸のみとなった。砂の上を歩くと「キュッ、キュッ」という独特の音を楽しむことができる。
同海岸は、1年を通してサーフィンや釣りなどのレジャー客が訪れる。夏季は海水浴客でにぎわい、冬季は美しい日の出を拝むこともできる。
同海岸の北側に位置する塩屋埼灯台は1899(明治32)年に点灯された。空と海の青さに映える白亜の大型灯台は、同市のシンボルとして親しまれている。
一般人が上ることのできる全国でも数少ない灯台の一つで「日本の灯台50選」にも選ばれている。塩屋埼灯台長の妻の手記を基につくられた映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台としても知られる。
併設されている灯台資料館は2月25日にリニューアルオープンした。レンズなどの実物資料が展示されているほか、エコ灯台体験コーナー、灯台クイズコーナーなども設けられている。
灯台のふもとには、歌手の故美空ひばりさんの遺影碑と歌碑が建立された「雲雀乃苑(ひばりのその)」がある。歌碑の前に立つと「みだれ髪」の歌が流れる仕組みになっている。塩屋埼灯台周辺を舞台に美空さんが歌った名曲「みだれ髪」を記念して建立されて以来、全国からファンなど多くの人々が訪れている。』(福島民友サイトより)

なるほど「鳴き砂」と「灯台」のセットなら価値は2倍以上に跳ね上がるといった仕組みでしょうか。
いわき市内で他の選定地は次の通りです。
●白水阿弥陀堂●夏井川渓谷・背戸峨廊●勿来の関●常磐炭田遺産群●波立海岸の植物群●照島とウの生息地●飯野八幡宮●じゃんがら念仏踊り●御宝殿の稚児田楽風流
の計、8ヶ所、2行事です。
行事は別として常磐炭田遺産群と照島とウの生息地はまだ訪れていませんので、近いうちに行ってみたいものです。

豊間海水浴場鳴き砂次に理解すべきが「鳴き砂」です。勿論言葉としては聞いたことはありますが、実際に触れてみたことはないので、実際に海岸を歩いてみることにします。

かすかに鳴っているような鳴っていないような…、海の音と風の音で結構聞き取りにくい状況ですので、とりあえず机上で「鳴き砂」を調べてみることにします。
「鳴き砂」とは文字通り砂の上を歩くとキュッと鳴る砂を言うのですが、地域によっては「鳴き砂」「鳴り砂」あるいは「泣き砂」など独自に呼称していたそうですが、国語の文法的には「鳴り砂」が正しいとされているようです。砂は自ら「鳴く」のではなく、他からの働きかけで「鳴る」のであるから自動詞の「鳴く」ではなく他動詞の「鳴る」が適当であると見解付けられていたためでした。
これは犬は「鳴く」が鈴は「鳴る」ものであり「鳴く」とは言わないことに通じていて、言われてみれば確かにその通りだと頷かないわけにはいかないようです。
こう言った無益な論争(か、どうか知りませんが)を繰り広げても意味のないことから、2007年に「全国鳴き砂(鳴り砂)ネットワーク」という団体がその総会において表記を「鳴砂」に統一することに決定し、読みは「なりすな」「なきすな」のどちらでも良いということになったようです。

ということでまた、厄介な団体が表れました。
「全国鳴き砂(鳴り砂)ネットワーク」とは、(財)日本ナショナルトラストの呼びかけによって「鳴砂」の浜を保全している自治体や団体による連絡組織として平成7年に設立され、現在17団体が加盟しており、自然海浜の保存と活用と地域の活性化を目指している団体で、全国各地で「全国鳴き砂(鳴り砂)サミット」などを行っています。
この「豊間海岸」は勿論加盟されており、加盟団体は「福島県鳴き砂研究会」だそうです。まあ、色々あるものですね。
「鳴き砂」の原理ははっきり判らないというところが結構有名で、表面摩擦によるものだというように考えられているところで研究は止まっているようです。一昔前には環境汚染のため各地の「鳴き砂」が鳴かなくなったという情報が多かったようですが、最近は逆で、「鳴き砂」ブームで各地の研究家たちが各地に残っている「鳴き砂」を発見するので増えているようです。

そして県内に一つだけ…、とあるこのビーチですが、勿論、福島県に海のあるのは浜通りだけですから、当然確立としていわき市にある確率は高いわけです。
いわき七浜といわれるほど長い海岸を保有しているのですから、かつては「鳴き砂」の浜も幾つかあったようです。
例えば照島、兎渡路海岸、永崎海岸、関田海岸などにも「鳴き砂」はあったそうですが、やはり環境汚染や自然環境の変化で今ではここ一ヶ所になってしまったようです。

豊間海水浴場鳴き砂更に調べていくとこの「鳴き砂」に関しては「うつくしまの音30景」というものにも選出されているのです。

これは福島県が行った事業で、一般公募の上、選定委員会で選定された30景だそうで、対象とした「音」は、将来残しておきたい音、日常生活に潤いや安らぎを与えてくれる音です。そして音の種類は自然・人工いずれも可で、時期・季節も問わないという条件の元です。
そこで選定されたのが「豊間海岸の鳴き砂の音」です。

豊間海岸の鳴き砂の音(いわき市)
市内60㎞にもおよぶ海岸には、以前は良好な鳴き砂が数多くあったが、年々減少し現在ではこの豊間海岸の鳴き砂のみとなってしまった。ここではスニーカーなどを履いて砂の上を歩くとき、“キュッ、キュッ”という鳴き砂特有の音がする。』(福島県オフィシャルサイトより)

ということで、いわき市では他に「薄磯海岸の潮騒とかもめの鳴き声」「じゃんがら念仏踊りの音」の合計3景が選出されていました。
何はともあれ色々と評価されるのは結構なことですが、それを維持・保存していくのも結構大変なことです。結局県内に「鳴き砂」は無くなった、ということにならなければ良いのですが…。
それにしてもやはり音は聞こえないようです。夏の乾燥したときでないと音は出ないのでしょうかね。しかし、「鳴き砂」は聞こえなくても大自然の潮の香りの中でゆっくり癒された気分です。
豊間海水浴場以前、塩屋崎の灯台から撮影した写真がありますので掲載しておきましょう。

雄大な景色に潮騒、やはり海はいいものです。

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