歴史を尋ねる散策記。歴史の必然、偶然を楽しんでいます!!!!
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前半のメイン展示である数々のバラの展示を終わり、後半はガーデニングとコンテストの様子がメインとなります。
若干バラ中心からはそれますが、それはそれで又素晴らしい展示の数々が見られました。
もう一つの目玉企画が「ピーターラビットの庭仕事~~英国湖水地方の街から」 です。
これはピーターラビットのというより作者であるビアトリクス・ポターが愛した土地であるイギリス湖水地方をテーマとした庭をイメージした展示です。
そのうちの一つが「湖水地方のコテージと森のガーデン」と題されています。
これはマリー;ユ・メ・ミファクトリーがデザインしたガーデンです。
『何もかもが在りのまま育まれています。メインの道以外は最低限の機能性にとどめようとしているかのようです。
それぞれのお庭も、昔は税金対策だったブリッジハウスの周りも、ナチュラルを最大限活用して絵に仕立てているようです。見せ場は思い切り個性的に演出しましょう。
小さなお家の窓辺を飾る花々や、狭い街中の秘密の抜け道だって手を抜きません。
ガイドブックにも載っていない迷い込んだ路地で、驚くほど華やかなハンギングに出会います。
それらはまるで、無彩色の建物や自然に生きている地味で小さな野の花を借景にしているかのようです。
そんな植物に込められた想いが、ダークに落ち着いた湖水地方の町並みや路地裏までを何倍も魅力的に仕上げています。湖水地方から切り離せない水辺の草花にも、径の片隅の雑草にも、そこにそうしてあるべき意味と役割があり、そんな当たり前を慈しみながら暮らす人々は、間た見せる事の上手さを併せ持っています。
大好きな湖水地方。「やってくれるじゃあないの」を皆さんにお伝えできればと思います。』(館内説明パネルより)
はっきり判ったことはイギリスだってことだけかもしれません。そう、ユニオンジャックがあるから…。
判ったふりだけしておけば良い的なコンセプトです。こうなると建築ではなく当然アートです。故に素人は100%理解することは非常に難しいのです。だから判ったふり…、なんです。
しかも湖水地方には行ったこともないので、多分こんなイメージなのだろうと納得するほかないですからね。まあ、それらしく理解できれば良いということです。
因みに実際にポターの住んだ家が湖水地方に残っていて〝昼トップ〟…視聴率ではなく〝ヒル・トップ〟と呼ばれて一般公開されているそうです。因みの因みに、その〝ヒルトップ〟を日本で再現した大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館というのが埼玉県東松山市にあるそうです。
参考:【大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館】http://www.daito.ac.jp/potter/index.html
展示以外にもここでは毎年コンテストが行われています。
コンテストは「ガーデン部門」「ハンギングバスケット部門」「バラ鉢植え部門」「バラ切り花部門」の4部門が設定されています。
まずは「ガーデン部門」からは「春風駘蕩」と題されたガーデンが大賞・国土交通大臣賞を受賞しました。
講評は以下の通りです。
『春風駘蕩のテーマのごとく、ゆったりとした空間、ヒューマンな空間、くつろぎの空間を創り上げている。
四方からの眺められる景観の多様な変化を見事に創り上げ、まさにくつろぎの様とやさしく美しい緑の景の両面とともに成功している。
うまい酒と一冊の本とそよ風を楽しむ居住者の存在する風景が見えに見えるようである。
Room outside (戸外室)として生活のなかにある庭という庭、ガーデンの本質を十分に創出している。』(国際バラとガーデニングショウNEWSより)
うまい酒と一冊の本とそよ風を楽しむ…、と講評も中々上手いこといいますね。それのほうが感心してしまいました。
次は「ハンギングバスケット部門」で「~森~」というタイトルが大賞・農林水産大臣賞を獲得しました。
講評です。
『吊り下げの部が大賞受賞となった。
落ち着きのある作品であり、和・自然をよく表現し、植物がゆったりと育っている自然風の中でもまとまった作品である。
日本庭園や日陰で飾ると周囲にマッチする作品で、種類の異なったアジサイにキボウシ等の緑がマッチしている。』(国際バラとガーデニングショウNEWSより)
ハンギングバスケットにはこのような吊り下げと壁掛けの2タイプがあるようです。
素人目には何となく地味に見えるのですが、どうやらその辺りがポイント高いような講評ですね。
残り二つはバラに関連するものです。
そのうちの一つ「バラ鉢植え部門」は「マチルダ」という作品で、大賞・農林水産大臣賞・埼玉県知事を獲得しています。
『この低温・日照不足の中でピンクの花の色が良く出ており、大きさも揃っていて、素晴らし出来栄え。大賞にふさわしい雄大なマチルダある。このようにすべてが揃うのは珍しい。』(国際バラとガーデニングショウNEWSより)
総評に興味深いことが述べられています。
『この日照不足や低温で開花が遅れている中で、予想以上の出品があったことは喜ばしいことである。
そのため多少温度調整をした出品が多く、品種本来の色合いが出ていないものがあり残念であった。本来、花色の濃い品種(例えば赤)は汚れて見え、淡い色(ピンク等)は白っぽく色あせて見える等、残念な面があった。
この天候不順な中でこれほどの努力作品があったことは感謝に余りあるものを感じました。』(国際バラとガーデニングショウNEWSより)
やはり花は生き物ですから気候は大変重要なファクターなのですね。改めて感じます。それゆえに花を育てるのは大変なことなんでしょうね。やはり見ているだけのほうが無難なのかもしれません。
そして「バラ切り花部門」については特に講評はありませんが、本来は開催期間中毎日大賞が選ばれるようです。
ちょうど私たちが行った15日の大賞は「ロージクリスタル」という花名の作品でした。
いずれ劣らぬ綺麗なバラたちで、いくつか印象に残ったバラです。
バラの手入れは本当に大変なようで、こういったものを見ていると、作者のバラへの愛情がわかるような気がしてきます。
最後に例によって企業や団体が出展しているガーデニング関連のブースを見て廻ります。
バラそのものを販売するブースは当然ながら、バラ関連グッズなどもたくさん販売されています。
こちらは「飲むバラ」とコピーされたジャムや飲料が販売されています。
一時期バラの香りの成分を飲んで体内からバラの芳香を漂わせるといった商品があったような記憶がありますが、どうもバラの香りは強すぎて飲食にはあわないような気がするのですが…。
こちらは「ピーターラビット」に関するグッズ販売しているブースです。
今回の目玉でもあるのですから、当然の出展でしょうね。
こちらには「英国王立園芸協会日本支部・RHSJコンテナガーデニング協会」というなんとも敷居の高そうなブースがあります。
オフィシャルサイトによると「英国王立園芸協会」とは以下のようです。
『英国王立園芸協会は、園芸を愛する世界中の人々に奉仕することを目的とした、英国王立典法による特別公益法人です。創立は1804年、総裁はエリザベス女王が務められています。本部はロンドンのビンセントスクエアにあり、世界に約37万人いる会員に様々な情報を発信し、園芸普及のための活動をしています。』(英国王立園芸協会日本支部オフィシャルサイトより)
そして、その支部である日本支部は海外で唯一の支部なのだそうです。
一応、総裁がエリザベス女王ですからそれなりに権威があるのかもしれません。
そして「RHSJコンテナガーデニング協会」とは次の通りです。
『「RHSJコンテナガーデニング協会」は英国王立園芸協会日本支部の付属団体として発足した、会員組織です。この協会では、コンテナガーデニングを、きわめて人工的で無機的な都市空間に我々と同じ生き物である花や緑を持ち込んで潤いある生活の場とする、有効かつ唯一の手段であると提唱していきます。
コンテナや都市空間という、植物の生育にとっては特異な場所での栽培を園芸技術の基本に立ち戻って学習し、持続可能なコンテナの園芸技術を習得し応用することを目指します。コンテナガーデニングを通して、「人と自然の共生」が本来意味するところの豊かな都市生活を、文化と環境の両面でエンジョイしようではありませんか!』(英国王立園芸協会日本支部オフィシャルサイトより)
何となく難しそうな説明ですが、基本的にコンテナとは鉢やプランターなどの樹木を植える容器のことですから、所謂、鉢植えなどを使用して庭を造ろう、といったところでしょうか。
隣にそのコンテナされた作品が展示されていますが、確かにこれなら庭のない家でも十分楽しめるのでしょう。
よくよく考えれば、極々当たり前のことなのでしょうが、それを文化として確立させようということでしょうかね。
参考:【英国王立園芸協会日本支部】http://www.rhs-japan.org/index.html
しばしマーケットブースを巡っていると人が集まってきています。
近づいてみるとこれも定番の「ピーターラビット」の着ぐるみです。
よくよく見ると「プーターラビット」って言うのは、あまりキャラクターっぽくない現実的な容姿ですね。
「カワイイ」という感じはあまりないように思えます。意外とシュールなんですよね「ピーターラビット」は…。
ま、それでも子供たちが並んで写真を撮っていました。
また、しばらくすると先ほどの人だかりより更に大きな人だかりができています。とりあえず覗いてみようという煩悩がそうさせるのでしょう。
行ってみると最初に見た「エミリー・ディキンソンの庭」に黒柳徹子さんが来ていました。
どうやら今日トークショーをするようで、そのために来ていたのでしょうが、そこでこの庭に寄ったというところでしょう。
一応写真は撮りましたが、肖像権の問題もあるので判るか判らないかのぎりぎりの写真です。
遠めなのではっきりとは判りませんが、それでも以外に若々しい方なんですね。
こんなちょっとしたおまけまで見られましたが、特にガーデニングをやっていない方でも十分楽しめるイベントでした。
2010.6.11記
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埼玉県上尾市在住で、埼玉県を中心に散策してみつけた歴史を楽しんでいます。
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