滑川町自然俯瞰

滑川町の歴史はこれだけではなく、まだまだ沢山の文化財や史蹟があるのですが、時間の都合もあることなので歴史散策はここまでとして、最後に森林公園に向い、滑川町に溢れる自然を満喫することにします。

滑川町エコミュージアムセンター

森林公園の前に滑川町では外せない森林公園のすぐ南にある「滑川町エコミュージアムセンター」に立ち寄ります。
滑川町の自然を楽しむにはここは外せない施設で、町役場、町立図書館のある敷地の一画にあります。
凝った造りのペーブメントで、壁面には町内の小学生たちが描いた滑川町の姿が展示されています。
滑川町エコミュージアムセンター滑川町エコミュージアムセンター 滑川町エコミュージアムセンター
なかなかモダンな雰囲気に包まれています。
そしてその先にあるのが「滑川町エコミュージアムセンター タナゴ発見館」なのです。
タナゴ発見館

まずはこの聞きなれない“エコミュージアム”を理解しておきましょう。
誤解し易いのが「エコ」という言葉で、単に聞き流せば“環境配慮”とか“省エネルギー”といった意味に取れ易いのですが、ここでいうところの「エコ」は、エコの本来の単語である「エコロジー」、つまり“生態学”のことで、「エコミュージアム」はこの生態学と博物館をつなぎ合わせた造語なのです。
では一般的なミュージアム(博物館)との違いは何かを比較してみましょう。前が一般的なミュージアムで、後がエコミュージアムの特徴です。
◆対象:高度な文化 ⇔ その地域の生活そのもの
※現在は存在しないものの、記憶として残る文化遺産・ソフトも含んでいます。
◆場所:建物を新たに建築し、収集・収蔵品を建物・施設内に「取り込む」 ⇔ フィールドを活用しその地で保存
※集めたり移したりするための箱物を新たに必要せずに(移す場合はなるべく現状保全)、点在しているものを「つなぐ」ことに意義を見出します。
◆主体:学芸員という専門家の管理のもとで保存・展示 ⇔ 住民・地域外住民
※学芸員という専門家が主役ではなく地域住民が主役なのです。
◆利用:一般大衆による受動的利用 ⇔ 住民・地域外住民が訪れ活用
※一般の人々が見るだけでなく活用する場であるということです。
つまりエコミュージアムとは、その土地の現在の文化や生活がどのような経緯でつくられてきたかということをまず、地域住民自身が知り、他地域の人たちにそれを見せ、知ってもらうことにより更に理解・再確認し、それを正しく受け継いでいくという意義及び実践のことなのです。
これを具体化している一つの例が山形県朝日町のエコミュージアムで、「まちは大きな博物館」「まち全体が博物館、町民すべてが学芸員」をキーワードとし、町行政の地域づくり計画の中に位置づけたことで知られているのです。

参考:【山形県朝日町エコミュージアム協会】http://asahi-ecom.jp/

このような意義の元で、滑川町の自然や文化を丸ごと博物館に見立てて活用するための拠点として、この「滑川町エコミュージアムセンター」が設立されたわけです。
そして滑川町の自然・文化のシンボルとして「ミヤコタナゴ」がこのエコミュージアムのテーマとなっているのです。

早速入館してみると、流石に自然との相性の良いウッディな建造物で、中央にその「ミヤコタナゴ」の水槽が配置されています。
タナゴ発見館 タナゴ発見館
2012年と2011年に誕生したミヤコタナゴの水槽があります。
タナゴ発見館
毎年少しずつ増やしているのでしょう。
タナゴ タナゴ
説明によれば「ミヤコタナゴ」は明治42(1909)年、東京の小石川植物園の池で発見されたことから「ミヤコ(都)」の名がつけられ、昭和49(1974)年には淡水魚では初めて、地域を定めない国の天然記念物に指定されました。
埼玉県では、昭和61(1986)年に滑川町内の沼(農業用のため池)で確認されたのが最後のミヤコタナゴの野生生息記録だそうです。
このミヤコタナゴ、かつては関東地方のどこでも見られたのですが、東京都、群馬県、神奈川県では野生下ではすでに絶滅し、埼玉県産も絶滅寸前で、自然状態では千葉県、栃木県の数ヶ所で細々と生き残っているだけなのです。
こうした国内希少野生動植物種でもあることから、ここエコミュージアムでは人工繁殖や、生態の調査・研究などの野生復帰への取り組みが行われており、現在、ミヤコタナゴの親は約2000匹、子は約1000匹いるそうです。
こうしたエコミュージアムであることから、あくまでここは展示というよりは飼育するための施設というつくりになっているのです。
タナゴ発見館
それは外に出るとわかるのですが、施設の横には文字通りの「滑川」が流れていて、タナゴ専用の池が作られているのです。
滑川 タナゴ飼育 タナゴ飼育
滑川町のシンボルであり、貴重な自然ともいえる「ミヤコタナゴ」をじっくり見て最後の森林公園に向かいます。

国営武蔵丘陵森林公園

エコミュージアムから10分程で森林公園に到着です。
ライトアップエリアは公園全域からみれば僅かなエリアで、出入り口も中央口に限られてしまいます。
そのためまだライトアップには早い午後3時半頃ですが、既に森林公園の中央口駐車場は満車となっています。仕方ないので近隣の民間の駐車場に止めることにしました。
公園の駐車場よりは3倍ほど遠いですが、歩いて10分のかからないところですからたいしたことはありません。
それよりも公園の駐車場の駐車料金が600円/日に対して、そこから遠くなるにつれて300円、200円と下がり、私が駐車したところは100円という安さで、一般的なイベント時の民間の料金の高さとは反対だったのが意外でした。

森林公園の中央口に到着すると、この時間でも帰る人と行く人を見ることができます。
国営武蔵丘陵森林公園 国営武蔵丘陵森林公園
そしてエントランスには「紅葉見ナイト」のサインが大きく掲げられており期待感が膨らみます。
国営武蔵丘陵森林公園中央口 紅葉見ナイトパンフレット
ライトアップの5時にはまだ早いのですが、折角なので昼間の紅葉も見ておこうと入園してみました。
入園して開けた視界は中央口広場とでも言うのでしょう。
中央口広場 中央口広場
傍らには滑川町商工会の露店が出店されています。幟には「森林公園とミヤコタナゴのなめがわ町」と書かれているのが見て取れます。
滑川町商工会の露店
流石に滑川町の二大自然とでもいえるコピーです。
周辺の木々は既に紅葉しており、美しい景色を見ることができます。
紅葉
左手には噴水がありますが、行灯が設置されているのでライトアップされるのでしょう。
噴水
噴水の先には大きな沼があり「山田大沼」というそうで、ここだけは静寂が支配しているようです。
山田大沼
なぜなら今回のライトアップは、この中央口から植物園までの約1kmがライトアップエリアですから、それ以外のエリアはもう終了時間に近いからなのです、当たり前ながら。

ここからはこのライトアップエリアを進んで見ます。
途中の広場では「森林公園アートフェスタ2012」が開催されています。
森林公園アートフェスタ2012
このような“お菓子の家”や“フェルメール画”、そして“トリック画”などが展示されしばしアートの世界を楽しみます。
森林公園アートフェスタ2012 森林公園アートフェスタ2012 森林公園アートフェスタ2012
散策路の脇にはこのようなイルミネーションも設置されています。
イルミネーション
夜になると美しい光景が広がるのでしょう。
この先の右手が彫刻広場というそうで、ちょっとそそられる「もみじ茶屋」などがあります。
散策路 もみじ茶屋
寒い日の“豚まん”はなりよりですが、ここは我慢しましょう。
もみじ茶屋の先の左側に「カエデ園」が広がっていて、ここが今回の見所の紅葉の中心エリアとなります。
カエデ園
カエデ園入口近くには竹で作られたオブジェのようなものがあります。
カエデ園空間インスタレーション
これは「紅葉見ナイト」のために作成された空間インスタレーションで、草月流の提供によるもののようで、なかなか素敵な空間を創り上げていますね。
しばしば紅葉の景観を楽しむことにしましょう。
カエデ園1散策路03 カエデ園2 カエデ園3

このカエデ園は、昭和52年に開設され、22種類の野生カエデが30年の歴史とともに美しい景観を作り出しているのです。 このカエデ園にある22種類です。
カエデの種類
それにしても“カエデはカエデ”だと思っていたのですが、22種類もあるとは驚きでした。
また、空間インスタレーションも様々な作品が展示されています。
空間インスタレーション01 空間インスタレーション02 空間インスタレーション03
そして散策路には行灯がズラッと設置されており、ライトアップ時には人々を誘う光の小道となるのでしょう。
散策路01 散策路02 散策路04
散策路を抜けると「植物園展示棟」があります。
植物園展示棟
展示棟の前にはイルミネーションが設置されています。
植物園展示棟前のイルミネーション01 植物園展示棟前のイルミネーション01
人力で電力を作り出しイルミネーションを点灯させるものなど、夜になると楽しく綺麗な光景が展開されるのです。
人力イルミネーション
イベントの始まる前のワクワク感が込み上がってくるようです。

展示棟内のサンルームでは“メープルツリーつくり”として付箋にメーセージを書いて貼り付けるツリーが設置されてあります。
メープルツリーつくり
また、こちらは展示棟のコア施設である工芸施設もあります。
工芸施設 工芸施設
そして中では「楓展」として、テクニカルアート展やもみじ万華鏡を作るコーナーもあります。
テクニカルアート展 万華鏡を作るコーナー
楓に関するパネルなども展示されていましたが、ちょっと興味深い説明がありました。

もみじとカエデ
紅葉する植物は数多くありますが、「紅葉」と聞くと、真っ先に赤いもみじの葉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。その思い浮かべた手のひらの型の葉こそ「かえで」の葉なのです。ここでは「もみじ」と「かえで」がどう違うのかを言葉の語源から見てみましょう。
「もみじ」は、「ものに色がつく」という意味の「もみつ」という古語が変化してできた言葉です。もともとは紅葉現象そのものと紅葉する植物すべてを「もみぢ」と呼びましたが、のちに紅葉する木の代表格のカエデのことを、特に「もみじ」と呼ぶようになりました。ですので、カエデ以外の紅葉も「もみじ」と呼びますし、紅葉の仕方によっては「草もみじ」や「山もみじ」と言う言葉もあるのです。
次に「かえで」ですが、こちらは、緑色の手のひらのような葉っぱが「カエルの手」に見えるので、「かへるて」と呼んでいたのが縮まってできたと言われています。今では、葉が手のひら型でなくても、植物学の世界でカエデ科カエデ属に分類される木すべてを「カエデ」と呼んでいます。
日本の代表的なカエデの中に「イロハモミジ」「オオモミジ」「ヤマモミジ」という名前の木がありますが、植物学的には「カエデ」の一種として扱います。
(館内パネルより)

色が変わる意味の“紅葉”は「もみじ」で、種類としての“紅葉”は「カエデ」と呼んでおけば間違いないということでしょう。まあ、それよりもウンチクで使えば人気者になれるかもしれませんね。
気が早いのですが、ここではお土産も販売されていたので、ハーブの入浴剤をお土産に買っておきました。
土産コーナー
展示棟でしばし休憩をとりましたが、日が沈むまでにはもう少し時間がかかるようなので、展示棟の周辺を散歩して見ました。
この辺りは先ほどのカエデ園を始めとして展示棟を中心に「都市緑化植物園」となっていて、ほかに“ハーブガーデン”、“生垣見本園”、“公園・庭園樹見本園”などがあるのです。
ハーブガーデン 生垣見本園 公園・庭園樹見本園
他にも“街路樹見本園”“湿地性植物見本園”など普段あまりお目にかかれない見本園もあるので、機会があれば一度見学しておくのも良いでしょう。

そうこうしている内にやっと陽も落ち始め、薄らと月の姿が現れるころ、イルミネーションも点灯し始めました。
夕景 点灯
そして完全に陽が落ちると展示棟前のイルミネーションが一気に輝きを増していきます。
展示棟前のイルミネーション01 展示棟前のイルミネーション02 展示棟前のイルミネーション03
先の人力イルミネーションも綺麗に輝いています。
人力イルミネーション
特にこのようなメープルやキノコ、そして花などが怪しげ、否、楽しげに輝いているのです。
イルミネーション01 イルミネーション02 イルミネーション03
なかなか素敵なイルミネーションで、子供達も大ハシャギです。

ここからは昼向ってきた中央口に戻りながらライトアップを楽しみます。
光の小道に導かれてカエデ園に向います。
光の小道
木々の間で幻想的な光景を見ることができます。
ライトアップ01 ライトアップ02 ライトアップ03
そして行灯の灯に導かれながら更に夜の紅葉を楽しみます。
紅葉ライトアップ01 紅葉ライトアップ02 紅葉ライトアップ03
途中には、空間インスタレーションのモニュメントもライトアップされています。
空間インスタレーションライトアップ01 空間インスタレーションライトアップ02 空間インスタレーションライトアップ03
まるで山火事でも起きたかのような真っ赤な光景が繰り広げられます。
紅葉01 紅葉02 紅葉03
カエデ園のなかはどこを見ても感嘆詞しか出ない、見事な景観が続いています。
紅葉04 紅葉05 紅葉06
そしてカエデ園の閉め括りはやはり空間インスタレーションとのコラボレーションです。
空間インスタレーションとのコラボレーション01 空間インスタレーションとのコラボレーション02
昼間に見た印象とまた違った印象で、1粒で2度美味しいグリコ状態とでもいうのでしょう。
カエデ園の紅葉ライトアップは一見の価値ありでした。

ここからは散策路を戻ります。
いくつかの木々にイルミネーションが施されていました。
木々のイルミネーション
こちらは来た時に見たもみじ茶屋とイルミネーションが点灯されています。
もみじ茶屋 イルミネーション
イルミネーションではありませんが、こういった照明の使い方もまた地味ながら素敵なものです。
ライトアップ
「森林公園アートフェスタ2012」もライトアップされていました。
森林公園アートフェスタ2012 森林公園アートフェスタ2012
それほど大掛かりなイルミネーションではありませんが、ツボを押さえたようなデコレーションです。
散策路のイルミネーション01 散策路のイルミネーション02
中央口広場でもまた数々のイルミネーションに彩られています。
中央口広場でのイルミネーション01 中央口広場でのイルミネーション02 中央口広場でのイルミネーション03
噴水もまたこのようにライトアップされていました。
噴水
約1時間ほどですが「紅葉見ナイト」をじっくり堪能させてもらい、森林公園を後にしました。
紅葉見ナイト 紅葉見ナイト
それにしても返す返す残念なのは、低スペックのコンデジと低レベルの撮影スキルですが、まあ、写真ブログでは無いので良しとしておきましょう^^

本来は広い園内をじっくり時間を掛けて花や木、文化や歴史をも楽しむべきところでしょうが、コンパクトに楽しむのも一興かもしれません。次に機会があれば、南口方面にある鎌倉街道跡周辺を散策してみたいものです。
半日に渡った滑川町の歴史と自然の散策も終了ですが、再び比企郡には訪れる目的もありますので、その際はまた違った比企郡を楽しめることができるでしょう。

2012.12.18記 (完)

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コメント

  1. YUMI | 2Qwf./yA

    こんにちは。
    コメントありがとうございました。
    紅葉のライトアップ素敵ですね。
    イルミネーションも。
    モミジとカエデ、わかっているようでわからなくて。
    勉強になりました。
    写真、良く撮れてますよ!(^^)!

    ( 09:13 [Edit] )

  2. 薄荷脳70 | -

    YUMIさん、ありがとうございます。

    私自身紅葉のライトアップなどほぼ行った事はないので、それなりの美しさにプチ感動でした。
    行って見ると色々知らなかったことが勉強できるものですね。
    今後ともよろしくお願いします。

    ( 16:51 )

  3. 四季歩 | ipmCGEIo

    良いですね

    森林公園、一時はよく行きましたが、
    最近全然行ってなかったです。

    ライトアップよりも大分前に行って、下ごしらえを
    するなんて、さすがですね。
    おかげで読んでいて楽しかったです。

    森林公園のライトアップ、知らなかったので、
    今後、ここも要注意スポットにします。

    かえでは、長瀞の県立自然の博物館でも
    力を入れていて、今秋だいぶ私も覚えました。

    あの辺のお菓子も、メープルを使ったものが多くなって、
    名産品化してきています。
    美味しいですよ。

    ( 20:07 [Edit] )

  4. bg | 3ZQ.D9ic

    タナゴ

    タナゴ懐かしいですね。久しぶりに聞いたワードです。
    昔はよく丸山公園の池で吸い込み使いながら沢山とりました。
    体が光ってきれいですよね。

    森林公園こんなイルミネーションやっているんですね。
    初めて知りました。行ってみたいな。
    でも、森林公園いったら目的がランニングコースかクロスカントリーコースになりそうです。笑

    ( 14:48 [Edit] )

  5. 薄荷脳70 | -

    四季歩 さん、ありがとうございます。

    確かにメープルの商品はいくつか見受けましたね。
    甘い香りが漂ってきそうで、子供達には喜ばれそうです。
    長瀞の紅葉もライトアップを含めて有名なようで博物館を含めて、また訪れてみたいです^^。

    ( 05:24 )

  6. 薄荷脳70 | -

    bgさん、ありがとうございます。

    私自身、水槽などに飼われているタナゴしか見たことがないのですが、確かに小さくて可愛らしい魚ですね。
    丸山公園にもタナゴがいたのですか。現在はどうなんでしょうか。
    森林公園の広さには驚きましたが、確かにクロスカントリーには良いエリアでしょうね、景色もよいので^^
    歩き回るのも大変そうなので、一度セグウェイの体験かねて公園内を廻ってみたいです。

    ( 05:30 )

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