昨年暮れ、ネットサーフィンで何気なく見つけた【埼玉県ビッグバンド連盟】なるサイト。
そのような組織のあることをはじめて知ったのですが、その活動内容がなかなか面白いのです。
年間を通してライブを行っているようで、まあ、埼玉県でのビッグバンドのPR活動とも言える活動です。しかしながら年間を通じてといえども野外でのライブが中心のため冬の時期は活動されていないようで、2013年のスケジュールは4月がスタートとなっていました。
そして年も明けた2013年、桜も散ってしまったにもかかわらず寒い日の続く4月20日(土曜日)、2013年埼玉県ビッグバンド連盟活動のスタートが切っておとされたのでした。

埼玉県ビッグバンド連盟コンサート

連盟の活動の皮切りが「埼玉県ビッグバンド連盟コンサート」で、今年13回目になる“Just Swing”コンサートです。
Just Swing 13
チラシの上に“埼玉県芸術文化祭協賛事業”とあるのは、平成2年から開催している埼玉県下における県、市町村、企業、団体、学校などが行う事業のうち、埼玉県芸術文化祭実行委員会会長が承認した事業なのだそうです。 詳しくはわかりませんが、多少の助成金や便宜が図られているのかもしれません。
言われてみればコンサートのMCから、今年からやっと屋根も緞帳もあるステージで行えることとなったという説明があったので、会場の便宜を図ってもらったのかもしれませんね。
ともかくも13年続いているのですから、そこそこ歴史のあるイベントといっても良いでしょう。

さてこのビッグバンド連盟とは一体・・・、という思いは当然浮かんでくるわけです。
で、オフィシャルサイトを見ればこのように記載されています。

埼玉県ビッグバンド連盟
さいたまJAZZ
埼玉県ビッグバンド連盟は埼玉県南部・東部で活動中のビッグバンドが集まり、2001年1月に発足いたしました。演奏する機会を増やし、リスナーを増やし、アマチュア・ビッグバンドジャズの普及と発展をめざして活動して参りました。
発足時より始めました定期演奏会『Just Swing』は第10回を越え、さいたま新都心での秋のイベント『さいたま新都心 Jazz Day』は56団体、出演者800名を越える大きなイベントへと発展して参りました。
10周年を迎えた2011年、コンボの活動家の皆様も加わり、ジャズをこよなく愛するアマチュアミュージシャンの連盟へと発展して参りました。

まさに手作りで始まった感のある連盟ですが、現在は13年目を迎えて益々意気盛んというところのようです。

ビッグバンドジャズ

4月20日(土)、前述の通りさいたま市南区にある「さいたま市文化センター」に向かいます。
最寄駅はJR南浦和駅です。
JR南浦和駅 JR南浦和駅
元々はさいたま市立南浦和中学校の跡地に1985年に浦和市文化センターとして完成したものです。1988年に大宮ソニックシティ大ホールが完成するまでは埼玉県最大のホールであったそうですが、1985年当時東浦和に在住していながら全くその存在は知りませんでした。
南浦和駅から歩いて7~8分と言う処でしょうか、昔から静かな街であった浦和のまんまです。
旧浦和市
施設は立派で、2006席ある大ホールと、340席の小ホールを中心に展示室や集会所などを持っています。
さいたま市文化センター
エントランスには大きな立看板に「さいたま市中学校吹奏楽連盟・合同演奏会」とあり、今回の「Just Swing」は小ホールなのです。
さいたま市中学校吹奏楽連盟・合同演奏会 当日のスケジュール
まあ、力関係は仕方ないでしょうが、いつか逆転する日も来るかもしれないから、地道に啓蒙活動を。。。
会場入口には12:30開場を待つ人がチラホラ。
小ホール入口 関係者入口
とりあえずここで1,000円のチケットを購入して入場します。
チケット
ホールは小ホールといいながらも綺麗で立派なホールです。
小ホール緞帳
このように綺麗な緞帳があるのも、連盟の皆さんの努力の賜物といえるのでしょうね。
来客は数えることが出来るくらいの寂しいものですが、徐々に増えてくるのでしょう、きっと!

ここで開演までの時間“ビッグバンド”とは何、をおさらいしておきます。
ビッグバンドはポピュラー音楽、特にジャズにおけるバンド形式の一つで、一般には大人数編成によるアンサンブル形態のバンド、あるいはこの形態で演奏されるジャズのジャンルのことをいい、前者はジャズ・オーケストラ、後者はビッグバンド・ジャズと表現します。
アンサンブルの形態としては、高度なアレンジとソロパートの組み合わせにより演奏されるため、即興演奏を主とするジャズ・コンボとは対極を成すのです。
ジャズのジャンルとしては1930年代と1940年代に主流となっていたスウィング・ジャズと同義語とされることも多いのですが、近年ではビッグバンドの形式でスウィング・ジャズ以外(ビバップ、フュージョンなど)が演奏されることも多いため、現在では必ずしも同義語とは言えません。
そして編成は複数の種類の楽器を組み合わせて編成され、一般的なビッグバンド(特にスウィング・ジャズを演奏するビッグバンド)では楽器の種類によって大きくサックス、トランペット、トロンボーン、リズムの各セクションに分けられるのです。とウィキに書いてありました。
編成図を見れば何となくわかってただけるでしょう。
ビッグバンド編成図
まあ早い話が、かつてTVで音楽番組華やかかりし頃は、歌手の後で演奏している楽団といえば多くの方が理解できるでしょう。昨年の紅白歌合戦からカラオケになったようですが、一昨年までは「三原綱木とザ・ニューブリード」が演奏していたといえばもっとわかりやすいかもしれませんね。

しかし、なんと言ってもその特徴は“楽しめる”ってことです。
多くの方が「Jazzって判らない」っておっしゃいます。それは得てしてトリオやカルテットなどの少人数のコンボで、中にはオーディエンスを楽しませるのが主目的ではなく、自分の演奏やスタイルを確立し、Jazzの奥深さの真髄を極めることにあると言うアーティストなどがいるから難しくなってしまうのです。その結果、理解してくれる人だけがファンになってくれればそれでいい、といった感じなわけですね。したがって、そういった演奏を何も知らない方が聞いても100%とは言わないまでも、多くの方が理解できなくなり、Jazzは難しいってことになるのです。またそれに拍車をかけるのがかつて存在していたJazz喫茶の雰囲気で、“しゃべっちゃいけない!”といった風潮が未だに尾を引いているのかもしれません。
それに比べてビッグバンドジャズは、スウィング時代は踊るための音楽でもあったのですから、楽しいのは当たり前です。
音楽(Jazz)の真髄を極めようとしているミュージシャンと、客を踊らせ、楽しませようとする楽団と比べればどちらが馴染みやすいかは一目瞭然でしょう。
その踊るための音楽が、その後聞くための音楽となったのですから、ビッグバンドの持つ楽しさはそのままに、coolさが加わったと考えれば良いわけです。
ある意味ではJazzの入門編と考えても良いでしょう。そこからコンボに移るのもまた結構なことですから。 是非、多くの方にビッグバンドの楽しさを味わっていただきたいものです。
開演にあたりまずは連盟会長の挨拶があります。
会長挨拶
そして、いよいよ開演です。
Just Swing 13 オープニング Just Swing 13 オープニング

1. BSF Jazz Orchestra

最初のバンドは「BSF Jazz Orchestra」です。
BSF Jazz Orchestra
さいたま市を中心として活動されている社会人ビッグバンドで、19年に渡る活動をされているそうです。 白を貴重としたカラーで、まさに幕開けに相応しい清楚で煌びやかな雰囲気を醸し出しています。
1940年にトミー・ドーシー楽団でシナトラが唄ってヒットした曲で、シナトラのキャリアの第一歩となった記念すべき“I'll Never Smile Again”が、Just Swingの皮切りの曲となりました。

2曲目はサド~メル・オーケストラの名曲“Mean What You Say”で、私も学生時代在籍していたビッグバンドで吹いた曲で、フリューゲル・ホーンのメロディアスなテーマと、ボーンのソリなどのある綺麗な曲です。つい当時を思いだして懐かしくなってしまいます。
BSF Jazz Orchestra
私の頃(といっても30数年前)は、女性メンバーは少なく、いても多くがピアニストで、極僅かにサックスの女性がいたくらいですが、昨今はブラスにも女性が多くなりましたね。
トランペットソロ
しかも当時は、まあ、ある意味お飾的な要素ともいえたのですが、現在はテクニックも素晴らしく、こちらの女性のように素晴らしいソロを聞かせていただけるようになったのは、とっても素晴らしいことですね。

3曲目にはやってきました“うたばん”です。
うたばん
お名前は失念しましたが、素敵な歌声で“Bye Bye Blackbird”を熱唱というより、肩肘張らずに余裕の表情でスウィングされていました。
うたばん
この辺りの楽しさもビッグバンドならではのものです。

そしてビッグバンドの花形はトランペットなのですが、Jazzとしての真髄はやはりサックスでしょう。
アンサンブルも聞き逃せないのですが、やはりソロとなるとサックスに一目おかずにはいられませんね。
その中で一番のスターはテナーで、一般的に(あくまで風評として。。。)一番女性にもてるパートです。風が吹けば音のでる(って昔、体力勝負のラッパ隊が野次っていました^^)楽器でサブトーンでも出せは、女性はウットリという時代は昔のことでしょうが、現在でもやはり人気のあるのは変わらないでしょう。
それに続くのがアルト・サックスで、日本では「ナベサダ」と言えばお分かりになるでしょう。
BSF Jazz Orchestra
そういった中で、あまり見かけることは少ないのですが、バリサク(バリトン・サックス)のソロは玄人好みです。
とにかくあの低音で吹き続けるスタイルが、しびれさせてくれます。
バリサクソロ
やはりバリサクといえば「ジェリー・マリガン」がでてくるのは必然でしょうが、こちらのバンドのバリサクの方もなかなか渋い装いと演奏でかなりCoolでした。

そして最後の曲が「One O'clock Jump」です。
カウント・ベイシー楽団でも長い間クロージングテーマとして使われたブルースの名曲です。
後でMCの方からも説明があったのですが、学生バンドの教科書と言われるベイシーは今だ健在なのだと嬉しく思ってしまいます。
何十回も聞いたこの曲ですが、結局1度も吹いたことはありませんでしたが、やはりこれを聞くと「スウィングっていいよね~」と思わずにいられなくなってします。それだけベイシーには不思議な魅力があり、時を経てもその魅力に陰りは無いってことを再認識させてもらいました。
詳しくはよく判りませんが、こちらのバンドは比較的若い方が多いのでしょうか、若い方とベテランが上手く融合し、ビッグバンドの華やかさ、楽しさを存分に聞かせてくれた素敵なバンドでした。

2. Dream Swing Kingdom

2番手で登場したのが「Dream Swing Kingdom」です。
Dream Swing Kingdom
「BSF」と対称となる“黒”のカラーのいでたちで、まさに渋さと落ち着きを感じます。
こちらのバンドはリード・トランペットの成田氏が、日本工業大学のジャズ・サークルOBを集めて設立した、総勢20名のバンドです。この成田氏はバンドのみならず連盟の副会長もこなす重鎮(若い方のようですが)です。
ファーストインプレッションは、昨今女性のプレイヤーが多いと前述したのですが、こちらもサックスの5人の内の4人、そしてトロンボーンに1名と女性の多いことでしょう。
Dream Swing Kingdom
シックなカラーながら、ちょっと華やいだ気分にさせてくれる女性陣です。

良い意味での成田氏のワンマンバンド的なイメージです。
オープニング「Dream King」、2曲目の「Flying Home」と力まずに気持ちよいスウィングを聞かせてくれます。
成田氏のソロ
成田氏ご本人からはソロで失敗との告白があったのですが、その綺麗な音色と音域の余裕を感じます。かなりハイノートを飛ばせるのかなあ、といった感じです。
今回の構成は“うたばん”を中心として、Jazzに馴染みやすいセットリストとしたようです。
3曲目のスタンダードナンバー「How High The Moon」でスタートしたボーカルは、女性ヴォーカルで十数年ぶりにこのステージに戻られたそうです。
うたばん
落ち着いたベテランの味と言ったところでしょうか。でも結構パワフルなところもあって、かなり場数を踏んでいらっしゃるのかもしれません。
ヴォーカル
「Embracable You」「The Man I Love」「When You Wish Upon a Star」といったまさにスタンダードナンバーを4曲で観客を魅了していました。

そしてクロージングナンバーが先の「BSF」とかぶった「One O'clock Jump」です。
Dream Swing Kingdom
やはりここでもベイシーは永遠といったところでしょうか、お馴染みのメロディのサックス・ソリから、オールスタンドとビックバンドの醍醐味を存分に醸し出してくれました。
良い意味で成田氏のワンマンバンドですが、バンド名の“夢のSwing王国”にあるとおり、Jazzを聞いたことが無い人をJazz好きにすることがモットーのようで、グレンミラー、エリントン、ベイシーなどの往年のナンバーや、ファーガソンや敏子などのモダン・バンド、そしてフュージョンなど多種多様なステージングで楽しませてくれるそうです。
このコンサートの後も先の「BSF」と一緒に春日部でライブがあるそうなので、順序を先にされたとのことでした。
ビッグバンドの魅力を感じ取ってもらえるようパワフルな活動をされている成田氏とDream Swing Kingdomに思わず応援の拍手を送らずにはいられなくなりました。
機会があれば、“うたばん”でないナンバーをじっくり聞きたいですね。

3. Swing Jokers Orchestra

ここで気になったバンドの入れ替えについて。
ステージチェンジ
こういったコンサートではバンドの入れ替えについては結構時間がかかるものです。それぞれの楽器と譜面を持ちこんでセッティングするわけですが、一番厄介なのがドラムスでしょう。
やはりセッティングに非常に時間が掛りますので、その間はMCがつなげるという妙技が必要となるのです。今回もその間はMCとバンドリーダーの掛け合いで凌いでおり、それはそれでバンドのことも少し理解でき楽しい時間となっていました。
かつて山野ビッグバンドコンテストでは、予め裏で次ぎのドラムをセットして、ドラム台ごと入れ替えて時間を短縮していたような気がします。
いずれにしても、こういったところも手作り感があって見所でもあるのですね。

そうこうしているうちに本日の3組目の「Swing Jokers Orchestra」の登場です。
Swing Jokers Orchestra
先の2組目と違いいでたちもバラバラで、トロンボーンは2名という編成。聞けばドタキャンで「初めからわかっていれば助っ人を呼んだのですが、まあ、何とかなるだろう」ということで、本日の編成となったようです。
よく言えば“自由奔放”、悪く言えば“いいかげん”と見えないことも無いバンドなのです。しかしながら1曲目を聞くと、そんないい加減さはぶっ飛んでしまいます。

オープニングナンバーはお馴染みエリントンの「Take the A Train」(A列車でいこう)です。
しかも確か宮間利之とニューハードが演奏した山木幸三郎のアレンジだった曲ではないですか。記憶が正しければまさにリアル時代でスリー・ブラインドマイスのLP(古っ)だった気がします。
このアレンジのナンバーも吹いたことがあるので特に懐かしい曲ですが、「アルプス一万尺」のメロディが印象的なアレンジでした。
という懐かしさにぶっ飛んだわけではなく、ぶっ飛んだのはその演奏の見事さでした。
学生バンドと社会人バンドの違いは、スキルは低いがたっぷり練習する時間がある学生バンド(勿論スキルの高い方は一杯いますが・・・)と、スキルは高いが練習する時間が少ない社会人バンドといえるでしょう。
特にこちらのバンドは1ヶ月に1度程度練習するくらいだそうなので、本来ならバンドとしての調和を取るのは難しいのでしょう。しかし、勝手な想像ながら、人間的な調和を保っていられるのはバンドリーダーの五十川氏の親分肌風なキャラクターのおかげではないでしょうか。
五十川氏
また、ビッグバンドで特に重要なのはドラムとリード(ファースト)トランペットでしょう。特にリード・トランペットはバンド全体のメロディラインを司っていると同時に、バンド全体のスウィング感を代表しているのです。
したがってリード・トランペットのミストーンやノリの悪さはバンド自体の出来にも関わる致命傷となりえるのです。逆に言えばリード・トランペットがしっかりしており、ドラムがリズムを崩さなければ、後のパートは多少のミスをしても、それなりにメリハリのあるバンド演奏に聞こえてくるのです。
そういった意味で、音楽的な調和を保っているのはリード・トランペットの磯川氏なのではないかと想像されるのです。
磯川氏

特にこのバンド、本番のステージ上で打ち合わせしているくらいですが、練習もリハも殆ど無くぶっつけ本番といった感じなのですが、それでもきっちりと決めてくるのは、その個人技にあるのではないでしょうかね。
聞けばこちらのメンバーには結構元プロの方もいらっしゃるとかで磯川氏などはそうなのでないかな、と思えるくらい素晴らしい演奏を聞かせてもらいました。
その磯川氏をフューチャーしたのが2曲目(曲名は失念)で、ハリー・ジェームスを髣髴させるハイ・ノートはやはり元プロなのではと。。。
ビッグバンド界の三大ハイノートヒッターは、このハリー・ジェームスとキャット・アンダーソン、そしてメイナード・ファーガソンでは無いかと私的には勝手に決めています。
やはりビッグバンドのラッパをやっている限り、ハイトーンはいつまでも憧れなんですね。

クオリティの高いバンド演奏を堪能したあとは、やはり先のバンドのように“うたばん”タイムです。
確か埼玉大学OBの女性で、素朴でありながら笑顔のキュートなヴォーカルです。
うたばん ヴォーカル
その1曲目が「Almost like Being in Love」で個人的に大好きな曲です。
ここは余談ながら、この曲について紐解いてみたいと思います。
この曲はビッグバンドのうたばんでは名曲中の名曲なのですが、実はビッグバンドでの演奏は聴いたことがなく、ハロルド・メイバーンのピアノトリオを聴いて好きになった曲なのです。

この曲は1947年初演ブロードウェイ・ミュージカル「ブリガドゥーン」での1曲なのだそうですが、作詞はアラン・ジェイ・ラーナー、作曲はフレデリック・ロウで、邦題は「恋をしたみたい」 という幸せ気分100%にハッピーな曲なのです。まあ、この曲をご存じない方でも、後にこの二人によってつくられた曲がミュージカル「マイ・フェア・レディ」だと聞けば、この曲の楽しさも感じることができるのでは無いでしょうか。
この「Almost like Being in Love」が作られたのが1947年で、その年にフランク・シナトラによってレコーディングされているようです。
その音源(当時のものかどうかは不明)がYouTubeにアップロードされていますので、シナトラとビッグバンドの醍醐味をちょっと味わって見ることにします。

すっごく心地よくないですか。
因みYouTubeには、ロバート・グーレ主演の1966年のスペシャルTVプログラム「ブリガドゥーン」がアップロードされていましたが、この「Almost like Being in Love」のミュージカル版のアレンジも聞きどころですが、コロンボでお馴染みの若き日のピーター・フォークがチラッと見ることができます。
ピーター・フォークのミュージカルと言うのも見ものですね。

参考:【Robert Goulet "It's Almost Like Being In Love" Brigadoon】http://youtu.be/5X9lUzqwQcI

大分横道に逸れてしまいましたが、この後、もう1曲素敵なヴォーカルがあり、いよいよ最後のナンバーです。
こちらも曲名は失念しましたがブルースです。
ビッグバンドのブルースと言えば、結構アドリブ回しをするケースが多いですが、ご多分に漏れず、こちらもほぼ全員が2コーラスづつのアドリブをプレイしましたが、これも台本にあったわけではなさそうで、その場でリーダーの五十川氏がソロプレイヤーを指示しています。
ソロ回し ソロ回し ソロ回し
五十川「お前さん、次ぎやっちゃいなよ」
メンバー「いやあ、私はいいですよ」
五十川「かまわないからやっちゃえよ」
メンバー「いいんですか?」
五十川「いいよ、いいよ、やれ~~」
てな、会話があったかどうかは知りませんが、こんなイメージではないでしょうかね。
とにかく、こうしてSwing Jokers Orchestraの幕は降ろされたのでした。

中国の諺に“楷書を知って草書を生きる”というものがあります。
要するに基本ができていなければ、その上を目指すことはできない、って勝手に解釈することにしてしまいましょう。更にシェークスピアの言葉に“世の中には幸も不幸もない。ただ考え方でどうにもなるのだ”という一節があります。
自分しだいで幾らでも楽しくなるのだ、とこれもまた勝手に解釈しましょう。
Swing Jokers Orchestra
こんな諺が出てくるような、自分たちも観客も等しく楽しい演奏を提供する「いぶし銀」のような輝きを持った素敵なバンドでした。

4. Beyond The Sea Big Band

いぶし銀バンドのあとは、スウィングのゴールデンエイジのような「Beyond The Sea Big Band」の登場です。
Beyond The Sea Big Band
ゴージャスで大迫力のビッグバンドサウンドで、何と言ってもラッパ5本、サックス6本はものすごく贅沢なバンドです。
こちらのバンドのリーダーである横倉氏は、ビッグバンド連盟の副会長であり、今回のコンサートの総合MCでもあるのです。
横倉氏
Dream Swing Kingdomの成田氏や、こちらの横倉氏をはじめとした関係者の努力があってここまでの盛隆を作り上げたのでしょう。

そして1曲目は、ゴージャスな雰囲気にぴったりのグレン・ミラー楽団の名曲「Moonlight Serenade」です。
Moonlight Serenade
最近ではTVなどのCMや映画などに使用されたりして耳にする頻度は結構高いのですが、やはりライブで聴くと一際スウィング感が伝わってきて、何とも心地よい気持ちになるのは私だけではないでしょうね。

2曲目からは一般ウケを狙っているのか、やはり“うたばん”が続きます。
ただ、“うたばん”とは言いながらも、何と女性3名のヴォーカルトリオでより華やいだ、そしていてノスタルジーを感じさせるような素敵な歌声を披露してくれます。
うたばん イザベル
「イザベラ」というグループ名だそうですが、よくよく考えればボーカルトリオを要している社会人バンドって凄いですよね。
お洒落なバラードの定番である「星に願いを」他2曲披露され、3曲目には何とソロヴォーカリストの登場です。
うたばん ナオミ
「ナオミ」と言う方だそうですが、このバンド一体何人ヴォーカルを抱えているのでしょうか。

こちらは「Summer Time」などのスタンダードナンバー3曲を披露され、パワフルな歌声が「イザベラ」と対をなしているようで、とっても素敵な“うたばん”を聞く事が出来ました。
ナオミとイザベル
前述したようにビッグバンドのホーンセクションにも女性が多くなった時代ですが、それとは別な意味で艶やかなヴォーカルって言うのも華があってよいものですね。

そして締めはバンドの演奏です。
スタンダードナンバーでコール・ポーターの名曲「You'd be so nice to come home to」は日本ではヘレン・メリル版が有名ですが、個人的にはジム・ホールの「Concierto」のアルバムでもクールな演奏が聴かれます。
特に印象的なのが、このバンドの特徴なのかも知れませんがトロンボーンのソリで、とっても魅力的でした。流石に重厚感あるハーモニーは聞く人の心を打つところがあるようです。
Beyond The Sea Big Band トロンボーンソリ
そしてエンディングは、先のバンドと同じ「Take the A Train」です。
こちらは無伴奏のブラスソリから始まるアレンジですが、こちらも非常に面白いアレンジのAトレインです。誰のアレンジなのでしょうかね。

ここでまたまた脇道にそれて「Aトレイン」について。
根本的にJazzなるモノを20数年聞いてきましたが、“A”の意味をずっと勘違いしていました。
返還前の沖縄には将校しか入れない「Aグレード」のレストランがあり、エントランスには「A」と書かれた額が掲出されていて、その残された額を見せて頂いたことがあり、てっきり将校クラスの列車と言う意味と勝手に考えていましたが、正確に調べてみれば、何のことはない単なる路線的な意味しかなかったようです。
現在、ニューヨークの地下鉄の路線には、A~G、J、L~N、Q~S、V、W、Zと1~7までの24路線があります。
そのうち、ニューヨークのブルックリン東地区からハーレムを経てマンハッタン北部を結ぶルートには「A」「C」「E」路線があり、そのうちの「A」は快速運転する“8番街線・急行”で「C]は“8番街線・各駅停車”、「E」は“クイーンズ大通り・急行/8番街線・各駅停車”という3本があるのです。
したがって乗客の乗り間違いがない様に、各系統の電車の前面に「A」「C」「E」等の丸い円盤状の看板が掲げられているのだそうです。これが「A」Trainの由来なのです。
A Train
そこで歌詞を見れば、この急行路線を意味する至極明解な内容となっています。

「ハーレムのシュガーヒルに行きたいなら、A列車に乗って行きな。これが一番早くいく列車だよ。
レールに音が響いているだろ。急いでくれ、もう電車が来るよ。
さあ、皆、A列車に乗ってくれ。ハーレムのシュガーヒルにはすぐ着くよ。」
といった意味なのです。
まさに急行であることを説明しているに過ぎないのですが、それがこんな名曲になっているのは、ある意味驚きです。
因みにこの歌詞のシュガーヒルは、ハーレムの中でも裕福な黒人街で、この辺りにアポロシアターやコットンクラブなどの当時流行したクラブがあったことから(実際エリントンバンドはコットンクラブと契約していた)、「ジャスを聴きにシュガーヒルに行きたいなら・・・」と言う意味が含まれているのです。

正式には“Aライン(路線)”となるのですが、このAラインには思い入れがあるようで、路線長が31マイル以上と言う世界最長であるとともに、ニューヨーク市直営の初路線ということもあって、2007年にはAライン開業75周年イベントが行われたのです。
これはインウッド207丁目駅からチェンバーズ通り駅 までの開業当時の区間を保存されていた旧型車両で走るというもので、車内には「Take tha A Train」のサウンドが響き渡っていたのだそうです。
一度は乗ってみたい「A train」です。
と言うことでAトレインが終着駅に着いたように、Beyond The Sea Big Bandのコンサートも終了です。
Take the “A”Train
1930~40年代のベニー・グットマン、グレン・ミラー、デューク・エリントン達のスウィング時代をたっぷり堪能させてくれた、オシャレなバンドでした。

5. SAMON ALL STARS

5番目のバンドは「SAMON ALL STARS」というバンドで、さいたま市を中心に活動されています。
SAMON ALL STARS
冒頭のMCでリーダーの方から、今回のステージ衣装について「パリッとした見栄えのよい服装」と言う指示で、今回集まったのですが、見ての通り、結局バラバラになってしまいましたというコメントがあったのですが、これはこれでそれぞれのお気に入りの服装と言うのも今時風で、けっして見栄えは悪くない様に思えるのですが。
私の学生バンドの頃は、1部はスーツ・ネクタイ、2部は自由というパターンが多かったのですが、そのギャップが果たしてお洒落と見えたのか、いい加減と見えたかもしれませんが、学生の頃は何を着ても許されるっていうところがありますから、社会人になると気の使い方が雲泥の差でしょうね。

さて演奏も開始されオープニングだったか、次だったかこの辺りは余り記憶が定かではないのですが、やってきました「A Train」3連発です。A列車も3編成走れば、A列車冥利に尽きるというものでしょう。
こちらのバンドのアレンジは原信夫とシャープスアンドフラッツの演奏したものだそうで、比較的オリジナルに近い雰囲気の曲です。 3連発となったので、ここではやはりオリジナルを聞いてかななければならないでしょう。

やはり「A列車」は不滅です、というところでしょう。

2~3曲目にコルトレーンの「Impression」を演奏されていましたが、ビッグバンドのスコアはあるんですね。結構驚きです。
そして「A列車」と対比するベイシーナンバーである「Hay Burner」というベイシーの名曲の後、なんと懐かしい「A Song For You」が演奏されました。
元々は1970年にアメリカのシンバーソングライターのレオン・ラッセルが発表した曲です。
こちらのバンドのアレンジはわかりませんが、私が吹いた頃は、1970年代の“サード・ハード時代”のウディ・ハーマンが有名でした。 確か「Giant Steps」というアルバムで、「Fiesta」など結構多くの学生バンドが注目していたアルバムで、「Freedom Jazz Dance」も吹いた記憶があり、非常に懐かしいアルバムでありナンバーでもあるのです。
そして、そのメロディのソロを取ったのが、こちらのアルトサックスの方です。
アルトサックスソロ
MCからも説明があったのですが、この曲のソロを吹くアルトの方は大工さんだそうで、仕事の都合上あまり練習に参加でなかったそうですが、陰での必死の練習でこの日を迎えたという涙ぐましい美談のうえ、見ての通りの小顔、八頭身の足長おじさん、では無く「足長イケメン」というルックスなのです。
アルトサックスソロ
「何故天は二物以上を与えてしまったのだろう」と恐らく多くの方達が思ったことでしょう。
とっても素晴らしい演奏で、隠し玉を持ったようなこのバンド、侮れませんね。

クロージングは「Blues Backstage」で確かこれもベイシーだったような。。。
特に全曲を通じて際立ったのがドラムスでした。
ドラムス
評論家ではないので善し悪しはよく判りませんが、実にビッグバンドらしいドラミングをされていました。
勝手な解釈ながらビッグバンドのドラムには2タイプあると思っています。
コンボ型のじっくり4ビートを刻み、渋いドラミングでうならせる「クールドラム」タイプと、“おかず”もたっぷりで賑やかななドラミングの「お祭り太鼓」タイプです。
「お祭り・・・」といっても決して悪い意味ではなく、なんと言ってもホーンセクションにキッカケを与えてくれる、実に頼もしいドラムなんです。
まさに華のあるビッグバンドらしいドラムを聞かせていただいたようで、昔、ベイシー存命晩期に来日公演したときのブッチ・マイルスを思い出してしまいました。
そのほかにもブラスのソロはそれぞれ迫力があり、隠しだまが一杯詰まったバンドとも言えるかも知れませんね。
3管メロディ ブラスソロ ブラスソロ
そつなくこなしたといった感じでありながら、聴かせどころを押さえた好感のもてるバンドでした。
SAMON ALL STARS

さいたまJAZZ

実際のコンサートはここで2度目のインターミッションとなるのですが、この日は気温も低く、ここまで4時間と言う長丁場により、持病の慢性鼻炎の症状も現れたことから、残念ながら後2バンドを残して帰宅することにしました。
後ろ髪を引かれるということは、まさにこの状態を言うのでしょうが、身体もだるく、頭痛の上、鼻をグズグズさせていては申し訳もないですから。。。
ということで、残りの2バンドはプログラムからの紹介のみです。
6組目は「さいたま市立与野東中学校」で、昨今中学生や高校生がビッグバンドをしているのも、裾野を広げるにも非常にいいことですね。私の姪も埼玉県の中学でビッグバンドでピアノを弾いており、一度だけライブを見ましたが中々のものに感心しきりでした。
さいたま市立与野東中学校
最後の7組目は「hajime express」で、埼玉大学ビッグバンドサークルのOBバンドだそうです。
hajime express
現役の大学生も在籍しているそうですから、若手とベテランのパワーとスキルの素敵なバンドでしょうね。
来年は是非とも体調を整えて最後まで見ていたいものです。
エントランスホールには沢山の女子学生がいますが、大ホールでの演奏会が終わったのでしょうか。
エントランスホール
いつかこれがこのコンサートの観客となる日が来るといいですね。

最後に個人的なお勧めビッグバンドをあげておきましょう。
まずはやはりラッパ隊のアイドルでもあるメイナード・ファーガソンの1曲です。
ファーガソンは、あの「ウルトラクイズ」のテーマ曲“スタートレック”や“ロッキーのテーマ”などで一躍有名になってしまいましたが、それが返ってJAZZファンが離れていく原因にもなってしまった感があります。
それでもやはりあのハイトーンの魅力は消えないでしょう。
その中で「Give it One」「MacArthur's Park」「Fox Hunt」など名演奏もあるのですが、あえてリラックスしたスウィングのなかで、ご機嫌のソリとハイノートが聞ける1曲を選んでみました。
「Dansing Nightly」です。

2曲目は今回のコンサートでもよく見られたサックスソリをフューチャーした名曲です。
文字通り「サックスは止まりません」という事で、ケニー・クラーク/フランシー・ボラーンの「Sax No End」です。
見事なサックスソリが堪能できます。

最後は学生バンドの教科書といわれたカウント・ベイシーです。
ベイシーには名曲、名演奏が数々あるので1曲を選ぶのはかなり難しいです。しかしながらある意味ではエリントンと並んで東西の横綱といっても過言ではないベイシーですから、ここは横綱相撲のような1曲を選んでみました。
“ベイシーストレイト・アヘッド”からの1曲「Magic Frea」です。
因みに「Magic Frea」の後に、ベイシーのクロージングテーマであり、今回の2バンドがクロージングにした曲「One O'clock Jump」が聴けますので、併せて楽しんでください。

まさに怒涛の2分半といった感じの横綱相撲でしたね。

少しでもビッグバンドの魅了を感じられたらうれしいですね。
最近は「熱帯JAZZ楽団」にはまっていて、過日BSTVでのライブを見る機会(まだ実際にライブに行ったことがない)があったのですが、底抜けに楽しさ一杯のライブでした。
コンボなどのJAZZをじっくり堪能するのも勿論結構ですが、ビッグバンドジャズで、ストレス発散しても良いかもしれませんね。
この後10月まで、“さいたま新都心・けやき広場”で「LOVE JAZZ TIME 2013」が毎月第4日曜日に行われますので、ちょっと興味をもたれた方はお出掛けしてみてください。
連盟の諜し者ではありませんが、ビッグバンドジャズを多くの方に楽しんでいただきたいと思います。
久しぶりにじっくりビッグバンドを楽しませてもらいました。
「ビッグバンドって、やっぱり最高だね^^」

※ここでの写真に関して、出演者並びに関係者の方から一切の掲載許可は受けておりません。もし掲載に不都合があれば即刻削除等致しますので、ご連絡いただければ幸いです。

2013.05.02記
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コメント

  1. 薄荷脳70 | -

    左門メンバー さん、書き込みありがとうございました。

    書き込みありがとうございました。
    こちらの写真でよろしければ、何なりとご使用ください。
    よろしくおねがいいたします。

    ( 04:11 )

  2. 左門メンバー | -

    さっそく使用させていただきました。ありがとうございました。

    ( 11:15 )

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